第35章 手を切り落とす!

その時、雨宮由衣の隣の男子生徒は、隣の席にいる、ここ数日間ずっと悪夢に出てくる顔を横目で見ながら、その瞳には生きる気力が失われていた。

最下位でも良かった、この二位なんかより。

雨宮由衣は隣の甥を同情的に見つめながら、「若いのね、気を落とさないで。人生はまだまだ長いわ、こんな小さな挫折なんて大したことないわよ!」

庄司夏は深く息を吸い、爆発寸前の感情を抑えながら「黙れ!」

雨宮由衣はようやく相手を刺激するのを止め、机に伏せて再び居眠りを始めた。先ほどの消耗が激しく、まだ睡眠が十分に回復していなかった。

みんなが席を調整し終わった後、二宮晴香は続けて「試験は終わりましたが、次に重要な案件があります。皆さんもご存知の通り、学校の視察に向けて、今回学校は文化祭を企画し、各クラスで出し物を一つ準備することになっています。

前回のホームルームで、私たちのクラスは『白雪姫』の劇を上演することに決まり、王子様役は庄司夏君に決まりましたが、ヒロインの白雪姫役がまだ決まっていません。」

二宮晴香が文化祭の話を持ち出すと、すぐに全員の目が輝き始めた。特にクラスの女子たちは。

この文化祭のために、クラスの女子たちは激しい争いを繰り広げていた。

ヒロイン役が決まらない理由は、これまで数人の女子たちが激しく争っていたからだった。

クラスには裕福な家庭の生徒が多く、激しい争いが起き、票の買収や、自分に投票するよう他の生徒を脅すなど、学校内で集団暴力沙汰になりかけるほどで、二宮晴香を困らせ、そのため試験後まで人選を延期することになった。

彼女は考えに考えた末、くじ引きが一番手っ取り早いと思い至った。これなら誰も文句は言えないはずだ。

そこで、二宮晴香は続けて「公平を期すため、また全員に参加のチャンスを与えるため、くじ引きで決めることにしました!くじの結果に対して、誰も異議を唱えることは許されません!」

「先生、異議なしです!」

「私も賛成です、くじ引きで!」

二宮晴香の決定に、生徒たちは口を揃えて賛成した。

もともとチャンスは一部の女子たちに限られていたが、今や機会が平等に分配され、全員にチャンスが与えられたため、当然ながら大多数が賛成した。