第18章 真面目に勉強する

清風学園。

帝都で最も教育の質が高く、進学率も最高の私立名門校。

この学校に入学できる生徒は、裕福な家庭の出身か、優秀な成績で全額奨学金を得た者のみ。

雨宮由衣がこの学校に入れたのは、当時父親が雨宮グループの社長だったから。

雨宮由衣の成績が悪かったのは、早熟な恋愛が原因だった。乙女心のすべてを、イケメンの婚約者・黒田悦男に捧げ、毎日のように彼の気を引こうとしていた。ラブレターだけでも数百通、折り鶴は数千羽も折った。

その後、庄司輝弥に目をつけられてからは、彼と対立することに忙しく、勉強する暇なんてなかった。

朝日が彼女の目立つ緑色の髪を照らす中、雨宮由衣は清風学園の正門前に立ち、頭上に輝く「清風学園」の文字を見上げながら、心の中で固く誓った——

くそっ、今度は誰にも邪魔させない。しっかり勉強してやる!

懐かしくも新鮮な校内を歩く。道の両側には樹齢の高い古木が並び、空気は草木の香りで満ちていた。遠くには和風な赤瓦の校舎が並び、校内放送では穏やかな音楽が流れ、三々五々と生徒たちがカバンを背負って教室へと急いでいた……

転生してから初めて、雨宮由衣は自分が本当に生き返ったという実感を味わった。

青空を見上げながら、涙が出そうになった。

周りの異様な視線とひそひそ話も、まったく気にならなかった。

前世で経験したことに比べれば、学校でのこんな噂話など痛くも痒くもない。

「うわっ!あれ誰だよ!びっくりして木にぶつかるところだった!」ある男子生徒が木を避けながら、まるで幽霊でも見たかのような表情を浮かべた。

隣の女子生徒が甲高い声で言った。「あの子を知らないの?Fクラスの雨宮由衣よ!」

「マジかよ!あいつが雨宮由衣か!噂以上だな!」男子生徒は感嘆の表情を浮かべた。

別の女子生徒が嫌悪感を露わにして言った。「毎日派手な化粧に奇抜な服装就算了、成績も最悪で、四年経っても卒業できないし、私生活も乱れてるって噂よ。毎日授業をサボって外で何してるか分からないし、どうしてまだ退学にならないのかしら。清風の恥よ!」

生徒の一人が口を挟んだ。「退学にできないんじゃない?実家が権力者らしいよ?」