第16章 良心は痛まないのか?

翌朝。

雨宮由衣は自然に目が覚めるまでぐっすりと眠った。

そして、今日のメイクを考え始めた。

実は、以前の派手なメイクは彼女を苦しめたものの、それは彼女の保護色でもあり、多くの面倒を避けることができた。そうでなければ、学校にも行けなかったかもしれない。少年少女が恋に目覚める高校時代、素顔で過ごせば、男子生徒から告白されるだけで終わってしまうところだった。

せっかく人生をやり直せたのだから、すぐにでも本来の自分に戻りたい気持ちはあったが、慎重に考えた結果、十分な力を持つまでは、これらの忍耐は必要だと分かっていた。

そこで、雨宮由衣はいつもの目を疑うようなメイクを施し、ついでにキラキラした緑色のウィッグをかぶった。

雨宮由衣が階下に降りると、庄司輝弥の姿は見えなかったが、その代わり林翔太がまた今日もいた。

彼は向かい側の人と何かを熱心に話していたが、ふと目を上げて彼女を見ると、口の中のコーヒーを一気に吹き出してしまった——

「くそっ!俺の目が!!!」

雨宮由衣は彼を白い目で見て、大げさな反応をする奴だという表情を浮かべた。

彼女は階下を一瞥すると、今日は林翔太だけでなく、庄司輝弥のもう一人の親友である梅野淳もいることに気付いた。

梅野淳は艶やかな桃花眼を上げて雨宮由衣を見つめ、特に彼女の髪を見た時、その表情は一瞬固まり、明らかに衝撃を受けていた。「林翔太、これが君が朝五時に私を起こして錦園に来させた...サプライズ?うん、確かに、サプライズだね。雨宮のスタイリングはますます創造的になってきたね!」

「違う!違うんだ、昨日彼女は...昨日は素顔で、メイクしてなくて、本当に超美人で仙女みたいで、俺びっくりしたんだ...」林翔太は取り乱して説明した。

梅野淳は花が揺れるように笑った。「そうそう、超美人で仙女みたい、君も九兄みたいにこういうタイプを見つければいいよ~」

林翔太は説明のしようがなく、ただ不満そうな顔で雨宮由衣を睨みつけた。

雨宮由衣は眉を上げた。「私を見て何してるの?メイクは女の子が他人に対する最低限の礼儀だって知らないの?」

林翔太は口角を引きつらせた。「あなたは本当に礼儀正しすぎます...」

その時、頭上から足音が聞こえてきた。庄司輝弥が目を覚ましたのだ。