第61章 その星明かり

この時、雨宮由衣は老夫人と黒川尊たちの推測を知らず、ただ現在の庄司輝弥の病状が七年後ほど深刻ではないと思っていた。

眠っている男性は非常に無害に見え、普段の背筋が凍るような雰囲気は全くなく、むしろ彼女をリラックスさせた。

庄司輝弥が眠っている間、雨宮由衣はスマートフォンで芸能ニュースと最新のゴシップを閲覧していた。

芸能界は日々変化し、数ヶ月で顔ぶれが変わることもあり、七年後となるとなおさらだ。

梅野淳のようにデビュー当初から爆発的な人気を誇る天才を除けば、七年後に一世を風靡したスターの大半は、今はまだ無名で、業界にすら入っていない。

現在、雨宮グループは複数の映画館チェーン、映像制作会社、さらにはメディアを傘下に収め、その中でも帝星エンターテインメントは業界最古参の芸能事務所として、大物タレントを多数抱えており、現在も七年後も、人気絶頂のトップスターの大半が帝星エンターテインメントの所属タレントだった。