第50章 本当にキスするの?

庄司夏が発言したおかげで、リハーサルはようやく続行できることになった。

他のメンバーは不本意ながらも、庄司夏の威厳に従い、渋々とリハーサルを始めざるを得なかった。

雨宮由衣は無関心そうに肩をすくめた。演じればいいじゃない、どこまで持ちこたえられるか見ものね。

庄司夏の出番は少なく、その間は窓際の席で居眠りをし、最後の場面になってようやく慎重に起こされた。

「あの...庄司夏さん、あなたの出番です...」

次のシーンは、七人の小人が白雪姫をガラスの棺に入れ、隣国の王子様が白馬に乗ってやってきて、愛情のこもったキスで白雪姫を目覚めさせるというものだった。

庄司夏は眉をしかめながら目を開け、そして全員の同情と哀れみに満ちた、まるで黙祷でもしているかのような視線と出会った。

これは一体どういう目つきだ?