雨宮由衣はあれこれ考えた末、制服を着て祖母に会いに行くことに決めた。
庄司輝弥の祖母は非常に高貴な身分ではあるが、世の中のおばあちゃんたちには共通点があるはずで、きっと清潔で素直な女の子が好きなはずだと彼女は思った。
どんな服装よりも制服が一番素直に見えるのだから。
メイクに関しては、昨夜寝る前にパックをしたことと基礎スキンケア以外は何もせず、髪はさっぱりとしたポニーテールに結び、きれいな額を見せていた。
予想していた恐ろしい女の幽霊ではなく、清々しくて可愛らしい、一目で好感の持てる少女が来たのを目の当たりにして、井上和馬はしばらく呆然としていたが、やっと我に返ると慌てて車を降り、後部座席のドアを開け、そして不思議そうにバックミラーから後ろを覗き込んだ。
雨宮由衣は以前、主人に逆らうことが一番の楽しみだった。どうせ主人は彼女のことが好きだから、どんなに過激なことをしても許してくれるのだから。