雨宮由衣はあれこれ考えた末、制服を着て祖母に会いに行くことに決めた。
庄司輝弥の祖母は非常に高貴な身分ではあるが、世の中のおばあちゃんたちには共通点があるはずで、きっと清潔で素直な女の子が好きなはずだと彼女は思った。
どんな服装よりも制服が一番素直に見えるのだから。
メイクに関しては、昨夜寝る前にパックをしたことと基礎スキンケア以外は何もせず、髪はさっぱりとしたポニーテールに結び、きれいな額を見せていた。
予想していた恐ろしい女の幽霊ではなく、清々しくて可愛らしい、一目で好感の持てる少女が来たのを目の当たりにして、井上和馬はしばらく呆然としていたが、やっと我に返ると慌てて車を降り、後部座席のドアを開け、そして不思議そうにバックミラーから後ろを覗き込んだ。
雨宮由衣は以前、主人に逆らうことが一番の楽しみだった。どうせ主人は彼女のことが好きだから、どんなに過激なことをしても許してくれるのだから。
今日のような良い機会なのに、こんなに...普通な格好をするなんて?
この雨宮由衣は...最近本当に変だ、一体何を企んでいるのだろう?
雨宮由衣は車に乗り込み、庄司輝弥の隣の席に座った。
乗った途端、由衣は思わず舌打ちした。外からは分からないが、中は大統領級の高級ホテルのような装飾だった。
庄司家の人々は輝弥がもう少し眠れるようにと、本当に心を砕いているのだ。
「泊まることになるかもしれないし、宿題もまだ終わってないから、一緒に持ってきたの」
雨宮由衣は背負っていたカバンを膝の上に置き、説明しながら、うつむいてカバンから小さなノートを取り出し、急いで話し始めた。「これはプレゼントのリストなの。まず万春堂で漢方と滋養強壮剤を買って、それからデパートでおばあちゃんに服やバッグ、それかマフラーとか買おうと思うんだけど、おばあちゃんの好みが分からないから教えてほしいの。それと、私貧乏だから、プレゼントは私が選ぶけど、お金は出してね...」
少女は走ってきたらしく、額に薄い汗をかいていた。今、小さなノートを見つめながら話す様子は非常に真剣で、瞳には星が宿っているかのようだった。
由衣、もしお前が俺を騙しているのなら...
できることなら...
一生騙し続けてくれ...