庄司輝弥たちが玄関に着いた時、おばあさまは既にメイドからの報告を受けており、この時居間で落ち着かない様子で行ったり来たりしていた。
彼女は既に井上和馬からその女の子の状況について聞いていた。まだ高校三年生だと聞いた時は驚いたが、幸い年は若いものの成人していた。
ただ、女の子の家柄はあまり良くなく、庄司家とは雲泥の差があった。
しかし、九が気に入っているのなら、それらは全て問題ではない。最も重要なのはこの女の子の人柄と、九に対する真心だった。
玄関から足音が聞こえ、おばあさまはすぐに入口の方を見た。
執事が先頭を歩き、その後ろに二人が続いていた。孫は相変わらず氷の彫刻のように無表情で、腕には薄い青色のカバンを掛け、傍らには愛らしい少女が寄り添っていた。
少女の素朴な顔は桃の花のように美しく、黒い髪をポニーテールに結い、清風学園の制服を着ていた。とても素直そうな様子で、一目見ただけで思わず愛おしく感じられた。
最も嬉しかったのは、二人が手を繋いで入ってきたことだった。
九の性格は彼女がよく分かっていた。普通の女性は彼の三歩以内に近づくことすらできず、触れることなど論外だった。
しかし今、彼は自ら少女の手を取っている。これは前代未聞のことだった。
そのため、庄司おばあさまの雨宮由衣を見る目は一瞬でさらに満足げになった。
庄司輝弥は雨宮由衣を連れておばあさまの前まで来て、「おばあさま」と呼びかけた。
おばあさまは一瞬も目を離さず由衣を見つめ、慈愛に満ちた表情で、相手を驚かせないようにとでも言うように、非常に優しい口調で「由衣ちゃんね。おばあさまの所においで!」と言った。
雨宮由衣は庄司輝弥の方をちらりと見てから、素直におばあさまの方へ歩み寄り、「おばあさま、こんにちは」と挨拶した。
「いい子ね!」おばあさまは満面の笑みで応え、後ろで井上和馬が持っている大小の包みを見て、心配そうに「疲れたでしょう。来てくれるだけで十分なのに、わざわざお土産なんて持ってこなくても良かったのに!」と言った。
そう言いながらも、その口調は非常に嬉しそうだった。
家には何も不自由はないが、これは将来の孫の嫁からの贈り物だ。意味が違うに決まっている。
「奥様、夕食の準備ができました」この時、キッチンのメイドが報告に来た。