庄司輝弥たちが玄関に着いた時、おばあさまは既にメイドからの報告を受けており、この時居間で落ち着かない様子で行ったり来たりしていた。
彼女は既に井上和馬からその女の子の状況について聞いていた。まだ高校三年生だと聞いた時は驚いたが、幸い年は若いものの成人していた。
ただ、女の子の家柄はあまり良くなく、庄司家とは雲泥の差があった。
しかし、九が気に入っているのなら、それらは全て問題ではない。最も重要なのはこの女の子の人柄と、九に対する真心だった。
玄関から足音が聞こえ、おばあさまはすぐに入口の方を見た。
執事が先頭を歩き、その後ろに二人が続いていた。孫は相変わらず氷の彫刻のように無表情で、腕には薄い青色のカバンを掛け、傍らには愛らしい少女が寄り添っていた。
少女の素朴な顔は桃の花のように美しく、黒い髪をポニーテールに結い、清風学園の制服を着ていた。とても素直そうな様子で、一目見ただけで思わず愛おしく感じられた。