彼女に誰かを紹介するの?
おばあ様がわざわざ紹介したい人って、誰なのかしら?
雨宮由衣は不審そうな表情でおばあ様の傍らについて歩いた。
リビングを通り、中庭に入ると、見覚えのある人影が不意に目に飛び込んできた。
数本の貴重な牡丹の前に、すらりとした背の高い人影が立っていた。
栗色の巻き髪の女性は、カジュアルなキャメル色のコートを着ていた。特別に美しいというわけではないが、端正で気品があり、落ち着いた雰囲気を持っていた。その所作の一つ一つから自然と漂う高貴な優雅さは、真の名家でなければ醸成できないものだった。女性らしい端正さと優雅さを持ちながら、眉間には男性にも引けを取らない凛とした気配が漂っていた。
これぞ都会随一のレセブ——秋山若葉!
転生してからこれほどの時を経て、ついに再会した。