第173章 金の太もも(ゴールデンレッグ)にしがみつく

「ありがとう、若葉姉。ブレスレットとても綺麗です」雨宮由衣は箱の蓋を閉じ、何も気付かないふりをした。

「気に入ってくれて良かった」秋山若葉は彼女に挨拶を済ませると、庄司輝弥の方を向いた。

庄司輝弥を見る時、彼女の態度は急に親密になり、眼差しも柔らかくなった。「九、深都の件は全て片付いたわ。詳しい状況は今夜話すわ」

「ご苦労」庄司輝弥は何の表情も見せずに雨宮由衣から視線を外した。

先ほど秋山若葉を見た瞬間の由衣の表情は、とても異常だった。

「本当に私の苦労を分かってくれるなら、言葉だけじゃなくて?」秋山若葉は眉を上げた。

庄司輝弥は井上和馬の方を見やった。井上和馬はすぐに用意していたものを取り出した。なんと上等な米酒の壺だった。

秋山若葉はそれを見て喜色満面になった。「七兄の作った米酒!前回私が貴重な古医書と交換しようとしたのに断られたのに!どうやって手に入れたの?」