「うん、もう十八歳だから、お酒は飲めるの……」江川麗子は弱々しく言った。叱られることを恐れているようだった。
「今どこにいるの?」雨宮由衣は心配そうに尋ねた。
「湖のそば……」
「学校の小さな湖?」
「うん……」
雨宮由衣は頭を抱えた。「そんな酔っ払った状態で、うっかり湖に落ちたりしたら大変よ!早く寮に戻りなさい!」
この素直な子ったら、リラックスしなさいと軽く言っただけなのに、本当に真に受けちゃうなんて!
「でも私……道に迷っちゃって……」
雨宮由衣:「……」
もう、お嬢様ったら、自分の学校で迷子になるなんて。
「しょうがないわね。その場所で動かないでいて。誰かに電話して迎えに行かせるから。」
雨宮由衣は江川麗子に何度も念を押してから、風間川治に電話をかけ、小さな湖のそばにいる江川麗子を探してくれるよう頼んでから、電話を切った。