第214章 女をあやすなら自分でやればいいだろう?

階下で、井上和馬が歩いてきて、雨宮由衣の荷物を運ぼうとしたところ、由衣と女の子の会話が聞こえてきて、思わず立ち止まった。

由衣は塾に通っているのか?彼は知らなかった。

由衣のことは全て彼が担当しているはずなのに。

もしかして主人が由衣のために申し込んだのか?

江川麗子はそれを聞いて少し安心した。「あなたが凄いと言う数学の先生なら、本当に素晴らしい先生に違いないわ!」

「うんうん、安心して。あなたも頑張ってね!じゃあ行くわ!私のこと忘れないでね!」由衣は彼女を抱きしめた。

江川麗子は頬を赤らめ、呆れたように由衣を見つめた。「早く行きなさいよ。月曜日にはまた会えるでしょ?」

由衣がメイクをしなくなってから、その顔は本当に目を引くようになった。女である彼女でさえ耐えられないほどだから、男性なら尚更だろう。