第187章 彼女はブスじゃない

雨宮由衣に支えられた後、ある人はすぐに自発的に彼女に寄り添い、全体重を彼女の肩にかけ、荒い息遣いが彼女の首筋に吹きかかった。

雨宮由衣は周りの嫉妬に満ちた視線に耐えながら、肩にもたれかかっている人を彼女たちに投げつけたい衝動に駆られた。支えたいなら自分たちで支えればいいのに、この美人の恩は受けきれない！

てんやわんやの末、ようやく保健室まで連れて行くことができた。

保健の先生は素早く庄司夏に喘息用の吸入薬を使わせ、その後基本的な検査を行った。

「39度5分、かなりの高熱です。点滴が必要ですね！おそらく冷えて、精神的にも疲れているようです。しばらくはしっかり休養を取る必要があります。特に興奮したり疲れすぎたりしないように気をつけてください！」保健の先生は真剣な表情で注意を促した。

うーん、高熱、冷え、精神的疲労……

保健の先生の言葉を聞きながら、雨宮由衣は何故か徐々に後ろめたさを感じていった。演技じゃなかったんだ、本当に病気になってしまったんだ……

冷えた？昨夜、この人は湖のそばでどれだけ長く過ごしていたんだろう？

保健室には藤原雪たちがいて、その他にも大勢の女子生徒が集まっていた。庄司夏の弱々しい様子を見て、女子生徒たちは泣き出し、心配でたまらない様子だった。

保健の先生は騒がしさに頭を抱え、不機嫌そうに彼女たちを睨みつけた。「ただの発熱と喘息発作なのに、まるで人が死にそうな顔をして。もういいから、みんな出て行きなさい。大勢いると空気の流れが悪くなるし、患者の休養の妨げになります。一人だけ残ればいいでしょう！」

保健の先生の言葉が終わるや否や、藤原雪は期待に満ちた眼差しで庄司夏を見つめ、他の女子生徒たちも皆去りたがらない様子だった。

雨宮由衣については、彼をここまで担いできて肩が外れそうになっていたので、彼が大丈夫だと確認できたら、こっそり抜け出そうと考えていた。

明らかにここは長居する場所ではなかった。

しかし、彼女が一歩踏み出した瞬間、手首が急に引っ張られた。

次の瞬間、彼女が下を向くと、透き通るように白い手が彼女の服の裾をしっかりと掴んでいるのが見えた。

そして狭いベッドの上で、少年は見捨てられたような目で彼女を非難するように見つめ、「どこに行くの？」と尋ねた。

雨宮由衣：「……」

もういい加減にしろよ、この演技派！！！