三人がテーブルを囲んで座り、橋本羽が片側に、雨宮由衣と庄司輝弥が向かい側に座った。
橋本羽は暫く眺めていたが、何か足りない気がして、「お酒でも飲みますか?私のところに大切にしているいいお酒があるんですが!」
雨宮由衣は庄司輝弥が自分の飲酒を好まないことを知っていたので、思わず隣の庄司輝弥を見やり、自ら「すみません、私お酒は飲めないので、お二人で少し飲まれては?」と言った。
橋本羽は少し残念そうだったが、無理強いはせず、向かいの男性に「庄司様はお酒は強いですか?」と尋ねた。
庄司輝弥は何を考えているのか、表情には見えない薄い霧がかかったように、人を寄せ付けない遠い雰囲気を漂わせていた。質問を聞いて淡々と「まあまあです」と答えた。
「よし、じゃあ酒を取ってきます。私たち二人で飲みましょう!」