第285章 女より美しい

庄司輝弥は携帯が突然鳴り出したため、バルコニーに出て電話に出た。

橋本羽は大スターらしい気取りもなく、何もしないのは申し訳ないと思い、自ら台所へ行って雨宮由衣の手伝いをした。

野菜を洗っている青年の白いシャツの袖は無造作に捲られ、流水の下で霜のように白い手首を見て、彼はしばし我を忘れた……

この雨宮白は、その顔だけでなく、体までも女性より美しい。

芸能界では最近数年、女の子より綺麗な男性が流行っていて、どんな若手イケメンを見ても女性たちが自信を失うほどだ。彼の周りにもそういう人は多いが、意図的に作り上げられたいわゆる美男子は、プラスチックの造花のように、振る舞いも気取りすぎている。一方、雨宮白は山々や砂漠の夜明けや夕暮れの中を吹き抜ける風のように、凛とした気配を放ちながらも自由奔放で、まるで世の中のすべての暗い影を吹き払えそうだ……