一秒が過ぎ、二秒が過ぎ、三秒が過ぎた……
庄司輝弥は冷たい目で橋本羽の姿を一瞬見つめ、そして、無表情で口を開いた。「こんにちは」
橋本羽は軽く頷いた。「こんにちは!」
男の威圧感が強すぎて、彼を見る目つきは、なぜか背筋が凍るような錯覚を与えた……
橋本羽は雨宮由衣を見て、探るように尋ねた。「あなたのお友達は……業界の人ですか?」
庄司輝弥が意外にも怒らなかったのを見て、雨宮由衣はようやく安堵の息をつき、答えた。「いいえ、彼は業界外の人で、ビジネスマンよ」
橋本羽は納得したように頷いた。
もし業界の人間なら、このような神がかった容姿で、とっくに大ブレイクしているはずだ。見たことがないはずがない。
雨宮由衣は橋本羽に声をかけた。「どうぞ座って。今日引っ越してきたばかりで、まだ何も整理できてないから散らかってるけど。何か飲む?私のところ、白湯しかないかも。お茶があるか探してみるけど……」