第308章 あの人は先輩なのよ

輝星メディア。

上から経営者が降りてきたという話は、すでに会社中に広まっていた。

同じマネージャーの古参社員たちは当然不満を抱いていた。天下りならまだしも、こんなに若いとは。

若くて見た目がいいなら、芸能人になればいいのに、なぜマネージャーの道を選んだのか?

結局、マネージャーと芸能人は違う。芸能人はデビューが早ければ早いほどいいが、マネージャーは経験を積み、人脈を作る必要がある。ほとんどのマネージャーはアシスタントや広報から始めて、3、5年経たないと単独で芸能人を担当することはできない。業界内のマネージャーで30歳以下は極めて少ない。

しかし、古参社員たちも分かっていた。渡辺部長はすでに芸能人マネジメント部門の総監督である周藤史良の権力集中を警戒し始めており、だからこそ雨宮白にこれほどの権限を与え、全員に彼の仕事に協力するよう指示を出したのだ。

現在、皆は様子見の段階で、軽々しく陣営を選ぶことはできないが、明らかに誰も雨宮白に期待していなかった。

周藤史良は渡辺部長の前では一矢を報いられなかったため、表面上の対応は当然するだろうが、裏でどうするかは渡辺部長にも制御できない。この若者はバックグラウンドも後ろ盾も経験もなく、しかも新人以下の落ち目の芸能人を選んだ。周藤史良と戦うには何もないではないか?

撮影スタジオ内は、今まさに忙しい光景が広がっていた。

新人たちがプロモーション写真を撮影中だった。

全員が20歳未満で、最年少は16歳という、まさにフレッシュな年頃だった。

等々力辰は早くから到着していて、相変わらず質素なTシャツとジーンズを着て、足元は色あせたスニーカー、黙って隅で待っていた。

今は9時10分で、マネージャーが昨日言った時間から10分が過ぎていた。

そのとき、妖艶な容姿の芸能人が人と笑い合っていたため前を見ておらず、うっかり等々力辰にぶつかってしまった。

道を塞いでいる人が等々力辰だと分かると、相手の表情は一気に険しくなった。「等々力...」

話しかけたのは周藤史良配下の芸能人、林浩だった。最強のマネージャーに付いており、前作品も大ヒットしたため、新人の中で最も勢いがあり、他の新人たちはほとんど彼の機嫌を取っていた。