占いなんかじゃなく、あの厚かましい奴は相手の手を上から下まで散々触りまくった。
十分触り終わった後、まるでインチキ坊主のように真面目くさって言い出した。「お兄さん、あなたの周りには紫金の気が漂っていて、九五至尊の尊い運命の持ち主ですね……ただ残念ながら……縁結びの線が薄く、結婚は難しい運命で、永遠に独り身の相をしています。この生涯、孤独を過ごすことになるでしょう……これを解くには、たった一つの方法があります……」
青年の表情は非常に深刻だった。
傍らの橋本羽はその様子を見て、本当に占いができるのではないかと信じかけ、思わず緊張しながら解決方法に耳を傾けた。
「ほう?どんな方法だ?」男は無表情で尋ねた。
青年は彼の手を触りながら言った。「心配いりません、お兄さん。これはあなたの運命に私が欠けているということです。私と一晩を共にすれば大丈夫ですよ!」
庄司輝弥「……」
橋本羽はよろめいて「……」
そんなインチキ話を信じるものか!!!
……
それぞれ部屋に戻った後、橋本羽は頭を掻きながら、心配そうにリビングを行ったり来たりしていた。
最後に寝室に行き、壁に耳を当てて、隣の部屋から何か音が聞こえないか確認しようとしたが、防音が良すぎて何も聞こえなかった!
この二人、何か問題が起きないだろうか?
今になってようやく、なぜ雨宮白の友人があまり……まっすぐじゃないように見えたのか分かった気がした。あいつにじわじわと口説かれたんだろうな?
……
隣の部屋。
雨宮由衣は狡猾な狼のような態度で、庄司輝弥を寝室へとこっそり連れ込もうとしていた。
「美人さん、今夜は星を見たり、月を眺めたり、詩歌について語り合ったり、人生哲学を語り合ったりしませんか……何もしないって約束します……」
何もしないと言いながら、すでに相手をベッドまで連れて行っていた。
庄司輝弥は容赦なく、自分の襟元で忙しく動く相手の小さな手を払いのけ、冷たい声で言った。「今夜の相手が私でなかったとしても、ベッドに連れ込むつもりだったのか?」
少女は手を払いのけられても、またこっそりと触ろうとし、相手が怒っているのを察したのか、小さな頭を上げて愛嬌たっぷりに笑って言った。「そんなはずないじゃないですか……お兄さんは私の運命の人なんです……私はお兄さんとだけ寝たいんです……」