もともと橋本羽が終わったら、会社は必ず宮本旭を押し上げて、橋本羽の位置を埋めるはずだった。しかし今、橋本羽は元気なだけでなく、人気も評判も上がっている。そのうえ、彼は桧山春樹にずっと押さえつけられている。
そう考えると、周藤史良は冷笑を浮かべた。「雨宮白か...よし!俺の邪魔をしただけでなく、俺のテリトリーで好き勝手やるとはな!今度こそ、全ての借りを返してもらおう!」
ボスがそう言うのを聞いて、部下は少し安心した様子で、すぐにお世辞を言った。「武志さんがいれば、誰が来ても大丈夫ですよ!」
太った男は何度もお世辞を言いながら、ソファに座る顔色の悪い若い男の方をちらりと意味ありげに見た。
「他に用か?」周藤史良は不機嫌そうに彼を一瞥した。
「いいえ!ありません!」
「用がないなら、さっさと消えろ」周藤史良は明らかに向かいの等々力辰のことばかり考えていて、邪魔されて不満そうだった。