第342章 宝物だ!

「竜の台頭は近年の大友先生の自信作なのに、まさか……」

会場の来賓たちは一瞬呆然となった。雨宮由衣が贈ったものは一体何なのか、大友照が'竜の台頭'と交換してまで欲しがるとは?

宴会場の来賓どころか、雨宮弘本人も困惑の表情を浮かべていた。

「はっはっは、雨宮の親父、この前まで私の竜の台頭を気に入っていたじゃないか……さあさあ、交換しようよ!」大友照は熱い眼差しで、雨宮弘に向かって話しかけながら、その目は骨細工から離れることはなく、その中には並々ならぬ熱意が込められていた。

対応策を考えていた雨宮由衣は大友照を見て、茫然自失の表情を浮かべた。

えっと、私は誰で、ここはどこで、何が起きているの……

彫刻の名匠・大友照が、'竜の台頭'と、彼女が骨董市場で百元で買った'正体不明の物'を交換したいだって?