その後、雨宮由衣は父親の雨宮昇平とともに席に戻った。
彼らのテーブルは一番隅にあり、家族以外は誰もいなかった。
それぞれが席に着くと、家族全員が沈黙した。
雨宮由衣は雨宮靖臣の隣の空席に座り、両親と向き合った。先ほどまでの叔父一家への強気な態度や、祖父や周りの人々の前での余裕のある対応とは打って変わり、今は戸惑いと途方に暮れた様子で、どう切り出せばいいのか全くわからなかった。
雨宮靖臣はずっと俯いて酒を飲み続け、雨宮昇平は複雑な表情で黙り込んでいた。二宮美菜の視線は娘に注がれ、落ち着かない様子で、聞きたいことも言いたいことも山ほどあったが、娘の誤解や態度を思うと言葉を飲み込んでしまい、どう接し、どう話せばいいのかわからなかった。
その場の空気は一時凍りついたようだった。
雨宮由衣は脇に置いた指を握りしめ、何度か口を開こうとしたが、言葉は喉元まで来ては飲み込まれた。
来る前に何度も何を言うべきか、何をすべきか考えていたのに、今は頭の中が真っ白になっていた。
何を言えばいいのだろう?
ごめんなさい、と?
これまでの自分の愚かな行動は、千回万回謝っても許されるものではない。
これほど必死に努力して、必死に勉強してきたのに、いざこの時になって、何の意味もないことに気づいた。両親の疲れ果てた老けた顔を見て、叔父夫婦に公衆の面前で侮辱される両親を見て、後悔と自責の念が押し寄せ、ますます向き合えなくなってしまう……
「私……」雨宮由衣は口を開いたが、声は異常に掠れていた。
結局、二宮美菜は娘のその様子に耐えられず、娘が自分を拒絶し嫌悪しているかもしれないことも気にせず、母親の本能のままに手を伸ばし、娘の髪を優しく撫でた。瞳には深い愛情が満ちていた。「由衣、痩せたわね……外で苦労したでしょう……」
その言葉を聞いた雨宮由衣は一瞬固まり、そして涙がポロリとテーブルの上に落ちた。
雨宮由衣のその一粒の涙は、まるでスイッチのように、その時の沈黙を打ち破った。
二宮美菜はもはや他のことは気にせず、夫と息子の間を通り抜けて娘の前に駆け寄った。「由衣、どうしたの?なぜ泣くの?外で辛い目に遭ったの?それとも誰かにいじめられたの?」