第344章 家族再会

その後、雨宮由衣は父親の雨宮昇平とともに席に戻った。

彼らのテーブルは一番隅にあり、家族以外は誰もいなかった。

それぞれが席に着くと、家族全員が沈黙した。

雨宮由衣は雨宮靖臣の隣の空席に座り、両親と向き合った。先ほどまでの叔父一家への強気な態度や、祖父や周りの人々の前での余裕のある対応とは打って変わり、今は戸惑いと途方に暮れた様子で、どう切り出せばいいのか全くわからなかった。

雨宮靖臣はずっと俯いて酒を飲み続け、雨宮昇平は複雑な表情で黙り込んでいた。二宮美菜の視線は娘に注がれ、落ち着かない様子で、聞きたいことも言いたいことも山ほどあったが、娘の誤解や態度を思うと言葉を飲み込んでしまい、どう接し、どう話せばいいのかわからなかった。

その場の空気は一時凍りついたようだった。