第345章 今度は私があなたたちを守る

雨宮昇平の目も少し赤くなり、それを隠すように顔を背けた。

雨宮靖臣は、まるで別人のように変わった妹を見つめながら、複雑な表情で黙り込んでいた。その瞳の奥には、まだ明らかに疑念が残っていた。

雨宮由衣は父親の方を向いて、「お父さん……ごめんなさい……私、全部わかったの……全部私のせいで……お父さんは私を守るためにこうなってしまったの……私たち家族がこうなったのも、全部私のせいで……」

雨宮由衣の言葉を聞いて、雨宮昇平は一瞬で表情が変わり、声を低くして言った。「お前……どうしてそれを知っているんだ?誰から聞いたんだ!」

雨宮由衣は鼻をすすり、考えてみたものの、どうやって知ったのかを説明する方法がないようだった。そこで、横にいる雨宮靖臣の方を向いて、「お兄ちゃん……お兄ちゃんが教えてくれたの……」

実の兄に責任を押し付けることにした……

黙々と酒を飲んでいた雨宮靖臣は、その言葉を聞いて一瞬呆然とし、反応する間もなく父親に背中を叩かれた。「このバカ息子!妹には絶対に言うなと言っただろう!」

「僕が言ったんじゃない!そんなこと言うわけないでしょう!」

「お前が言ったんじゃないなら、妹がどうやって知ったのか説明してみろ?」雨宮昇平は明らかに彼を信じていなかった。

二宮美菜も非難するような表情で、「靖臣、あなた無茶しすぎよ!もし由衣に何かあったら……」

雨宮靖臣は由衣を睨みつけて、「本当に僕じゃない!この子が嘘をついてるんです!」

雨宮由衣は母の胸に顔を埋めたまま、目をパチパチさせながら弱々しく言った。「私、嘘なんてついてない、お兄ちゃんが嘘をついてるの……」

「このバカ息子!まだ嘘をつく気か!」雨宮靖臣は再び父親に叩かれた。

「なんで!どうして僕じゃなくて妹の方を信じるんですか!」雨宮靖臣は半ば死にそうなほど腹を立て、自分じゃないと叫び続けたが、両親は誰一人として彼を信じなかった。

このどたばたで、四人家族の雰囲気はかなり和らいでいた。

雨宮由衣がなぜこれほど変わったのか、説明がついたようだった。

同時に、二宮美菜と雨宮昇平は、娘が受けたショックが大きすぎて、精神的に耐えられないのではないかと心配していた。