第327章 お会いできない

雨宮家の屋敷の中、目に飛び込んできたのは広大な露天の庭園で、柳並木が整然と並び、提灯や飾りつけで華やかな雰囲気に包まれていた。

屋敷の執事は年配の中年男性で、細長い目には抜け目のない賢さが宿っていた。

「荒井執事、ご無沙汰しております!」

誕生日パーティーに参加するために訪れた数人の中年男性たちが、笑顔で執事に挨拶を交わした。

執事は一人一人に頷いて応え、へりくだることも高ぶることもなかったが、よく観察すれば、その瞳の奥に上に立つ者特有の誇りと、ある種の傲慢さが垣間見えた。

雨宮家の庭園の外側では、帝星エンターテインメント所属の容姿端麗な若手タレントたちが集まり、ひそひそと話し合っていた。

「ただの執事なのに、態度が横柄すぎじゃない?」

帝星エンターテインメント所属の若手タレントたちは、執事のその態度を見て、かなり不思議そうだった。