三分後。
雨宮由衣は温め直した料理を持って出てきて、そのまま庄司輝弥の前まで歩み寄り、椅子を引いて彼の隣に座った。
雨宮由衣の突然の行動に、一瞬にして全員の視線が彼女に集中した。
部下の報告も突然途切れ、戸惑いながら井上和馬に問いかけるような視線を送った……
井上和馬も困惑し、雨宮由衣が何をしようとしているのか分からなかった。
今朝の電話以来、彼女は少し様子がおかしかった。
雨宮由衣は自分を見つめる人々を一瞥し、「続けてください」と言った。
そう言うと、スプーンで料理をすくい、庄司輝弥の口元へ差し出した。
庄司輝弥の表情が一瞬凍りつき、漆黒の瞳で測り知れない感情を込めて隣の少女を見つめた。
雨宮由衣は食べさせる姿勢のまま、複雑な表情で自分を見つめる庄司輝弥に無表情で言った。「どうせこの一時間、あなたは全部で八回しか話してないし、合計四十七文字だけでしょう。食事くらい、会議の邪魔にはならないでしょう?」