第412章 彼女はいつから占い師になったのか?

井上和馬の言葉に、影流は反論できなかった。

隊長として、主を守れなかっただけでなく、自分の部下さえも守れなかった。

彼女が時機を得て現れなければ、蘇我保司は今頃遺体となっており、自分を一生許せなかっただろう。

雨宮由衣が全員を救ってくれた、この事実に対して、彼は何も言えなかった。

寝室内。

雨宮由衣は庄司輝弥に薬を飲ませたばかりで、今は彼の服を着替えさせていた。

男が眠っているとき、普段の人を震え上がらせるような気配はなく、虚弱な様子は、この強大な男を無害で穏やかに見せていた。

もう丸一日が経ったが、庄司輝弥は全く目覚める気配を見せなかった。

前世で庄司輝弥が丸三ヶ月昏睡状態に陥り、もう少しで命を落とすところだったことを彼女は覚えていた。今回は怪我こそなかったものの、彼自身の病巣が体に大きなダメージを与え、極めて大きな隠れた危険も存在していた。

今回は目覚めるまでにどれくらいかかるのだろうか……

雨宮由衣が物思いに耽っていると、「コンコンコン」とドアをノックする音が聞こえ、一人の護衛が食事を運んで入ってきた。

「由衣様、何か召し上がりませんか?」小さな護衛の彼女への態度は、明らかに以前とは異なっていた。

以前は影流の部下たちは表面上何も表さなかったものの、その目に宿る冷淡さと嘲りは隠しようがなかった。

「ありがとう、そこに置いておいてください」

小さな護衛は食事を並べたが、すぐには立ち去らず、その場に立ったまま、何か言いたげな表情を浮かべていた。

「どうかしましたか?何かご用でも?」雨宮由衣はその様子を見て尋ねた。

小さな護衛は顔を赤らめ、少し恥ずかしそうに、躊躇いながら頭を掻き、やっと口を開いた。「いえ、その……あの……由衣様……占いをしていただけませんでしょうか?」

雨宮由衣は驚いて、「えっ?」

彼に何をするというの?

小さな護衛は急いで言った。「割引なしで結構です!定価で!定価で大丈夫です!」

雨宮由衣:「……」

いつの間に占い師になったのだろう?

「で……できますか?」小さな護衛は期待に満ちた表情で尋ねた。

雨宮由衣は言葉に詰まった。どうやら以前の自分の見せかけが上手すぎて、この人たちは本当に自分が占いができると信じてしまったようだ。