第482章 ナンパができるようになった

すでに三問間違えたので、賞品を獲得する望みは完全に消えてしまい、残りの二人もやる気をなくして、ゲームを終了させてしまった。

ゲームが終わるやいなや、雨宮由衣は庄司輝弥に不満を漏らし始めた。「このガキ、本当にイライラする!こんな簡単な問題も間違えるなんて!」

「僕は間違えてないよ!」庄司夏は表情を硬くして言った。

「三問とも間違えたのに、まだ間違えてないって!」雨宮由衣は激怒した。

庄司輝弥は何も言わず、大きな手のひらで少女の頭を優しく撫でた。その表情は深い意味を秘めているようだった。

庄司夏との口論のせいで、雰囲気は少し冷え込んでいた。

ステージ上で、司会者は得点の集計を始めた。「現在の最高得点は8点で、23番テーブルのカップルの方々です。今夜これ以上挑戦者がいなければ、賞品はこのお二人のものとなります!」

庄司輝弥は隣で不機嫌そうにしている少女を見て、「機嫌が悪い?」と尋ねた。

雨宮由衣は我に返り、表情を和らげて「ううん、大丈夫!」と答えた。

負けは負けで、実は雨宮由衣はそれほど気にしていなかった。腹が立つのは庄司夏のあの態度で、明らかに自分が間違えたのに、まるで彼女が悪いかのような態度を取っていることだった。

庄司輝弥は手に持っていた飲み物を置き、雨宮由衣を見つめながら「一緒にもう一度やってみない?」と言った。

雨宮由衣はその言葉を聞いて、驚いて男性の方を振り向いた。

え?一緒にもう一度?

庄司輝弥がこんなゲームをやりたがるなんて……

つまり……わざとそう言ってくれた……実は彼女と一緒にプレイしたかったということ?

そう考えると、雨宮由衣の心臓が一拍抜けた。

まずいな……

庄司輝弥がこんな風に女の子を誘うようになっていたなんて?

庄司輝弥は問いかけるような目を向けて、「どう?」と言った。

雨宮由衣はすぐに軽く咳払いをして、「えっと、もちろんいいよ!」と答えた。

庄司夏は庄司輝弥を一瞥し、硬い表情で顔を背けた。

「私たち、挑戦してもいいですか?」雨宮由衣は急いで立ち上がって尋ねた。

司会者は先ほど三問連続で間違えた雨宮由衣を見て、少し申し訳なさそうに「各組一回限りとなっております」と答えた。

「今回は彼と組むんじゃなくて、私の彼氏と一緒なんですけど、それなら大丈夫ですか?」雨宮由衣が尋ねた。