しかし、彼はもう一度確認する必要があった。
等々力辰のさっきの演技は、単なる偶然の幸運なのか、それとも本当にそれだけの実力があるのか。
そう考えた蘇我隆治は即座に口を開いた。「第十三幕、第七場、それぞれ自分の理解で演じてみなさい!」
蘇我隆治の言葉とともに、興奮していた人々は一瞬にして息を潜め、緊張した面持ちで二人を見つめた。
弾幕で南聖のファンたちは不満げに反論し始めた……
[まだ終わってないよ!何を急いでるの!さっきのは運が良かっただけかもしれない!]
[そうだよ、等々力辰はさっき小賢しいことをしただけ。南聖は一人で演じたから効果が薄かっただけで、等々力辰は南聖を利用して演技したんだ!ずるいよ!]
……
等々力辰は周りの反応に気を取られず、蘇我隆治が第十三幕、第七場と言った時、一瞬表情が凍りついた。