第485章 異常な様子

雨宮由衣にさんざん文句を言われた庄司夏は、珍しく口論せず、むしろ異常なほど黙り込んでいて、周りには見慣れない雰囲気が漂っていた。

運転手は先に車を庄司夏家の前に停めた。

車が止まると、雨宮由衣は賞金から2000円を取り出し、「はい、お小遣いよ！」

庄司夏は雨宮由衣が差し出した2000円を見て、口角を引きつらせ、明らかに嫌そうな表情を浮かべたが、それでも受け取った。

夜風の中、庄司夏は車のドアの外に立ち、冷たい目つきで庄司輝弥の方向を一瞥した後、雨宮由衣の顔に視線を移した。「バカ女！」

突然罵られた雨宮由衣は顔を曇らせた。このガキ、お仕置きが必要なんじゃないの！

雨宮由衣が口を開こうとする前に、庄司夏はポケットに片手を入れたまま、くるりと背を向けて夜の闇に消えていった。

庄司夏を送り届けた後、車はすぐに錦園へと戻った。