第548章 また当てた

新人賞の後は二つの小さな賞があり、その後は助演男優賞でした。

今回の助演男優賞のノミネートは実力派揃いで、予想は難しいものでした。ユニバーサルの唐澤渡と、帝星の遠藤良介が有力候補でした。

雨宮由衣はユニバーサルの足を引っ張りたくはありませんでしたが、今回の助演男優賞は、遠藤良介の実力が開花し、一歩リードしていました。

遠藤良介と同時にノミネートされたのは、ユニバーサルが現在力を入れて推している新人でした。

遠藤良介はユニバーサルのベテランで、父親が在籍していた頃から着実に実力を積んでいました。父親が亡くなってからはあまり重視されていませんでしたが、今回の賞で彼の立場が少しは良くなるでしょう。

橋本羽は考え込みながら、「助演男優賞は予想が難しいね。雨宮白、本当に遠藤良介だと確信してる?唐澤渡の今回の演技も悪くなかったけど……」

雨宮由衣は真面目な表情で「確かに予想は難しいですね……」と答えました。

新津香織が口を開き、「私は馨くんの可能性が高いと思うわ。この前の宴会で審査員の何人かに会ったんだけど、馨くんの評価がかなり高かったみたいで……」

三人が議論している最中、司会者が長々と話した後、ついに受賞者が発表されました。

「助演男優賞の受賞者は——『紅蓮』で恒川安城を演じた遠藤良介さんです!おめでとうございます!」

会場から拍手が沸き起こり、カメラは遠藤良介の方向に向けられ、帝星のメンバーたちが次々と立ち上がって遠藤良介を抱擁し祝福しました。

彼らは実際には推している別の男優の受賞を望んでいましたが、それでも遠藤良介もユニバーサルの所属タレントでした。

後ろの数列の席で、唐澤渡は気にしない様子で肩をすくめました。

唐澤渡はよく宮本旭たちと付き合っており、セレブ芸能人の代表格でもありました。演技は宮本旭よりもずっと上手でしたが、賞についてはあまり気にしていないようでした。

新津香織は祝福の言葉を述べました。「わぁ、占い師のお兄さん、また当てちゃったね!」

雨宮由衣は苦笑いしながら黙っていました。そうですね、また当てましたね。全部外さずに当てられることを言えるでしょうか?

舞台の上で、遠藤良介は感動しながら受賞スピーチを述べていました。