085 契約師

……

「纏龍絲(暗器)」

「ランク:SS」

「銳利11 靭性9 重量5 バランス7」

「特殊技能:絞殺」

「絞殺:纏龍絲で目標を絞殺する際、90%の確率で鎧砕き、骨透き、肉入りなどの効果が発生」

……

これはロジャーが手に入れた四番目の隱密俠専用武器だ。

赤月刃、青蚨、紫の絡みと比べると。

纏龍絲は真の意味での異形武器だった。

その両端には指輪が二つずつ付いている。

指輪の中には機関が仕込まれている。

使用しない時は細い銀糸を収納できる。

必要な時は力を入れれば引き出せる!

纏龍絲の殺傷力は主に指輪の間の銀糸に隠されている。

この銀糸は一見脆そうに見える。

しかし実際は非常に強靭だ。

隱密俠が纏龍絲を持つと、敵の首に巻きつけるだけで。

両手で絞めれば首を落とすことができる。

かなり凶悪な武器と言える。

この暗器の唯一の懸念は糸の品質だ。

この部分の質を確保するため。

注文時の材料選びは、ロジャーが自腹を切った。

目の前のこの銀糸は「ヘヴァレ密鋼」と精金を混ぜて作られている。

「ヘヴァレ密鋼」は紅袖兄弟會の倉庫から来ており、ミストラで最も堅固な合金の一つだ。

そして精金はハンフランから来ている。

これが纏龍絲に十分な靭性と伸縮性を与えている。

精金が持つ魔法の活性については、ロジャーは必要としていなかった。

他の隱密俠専用武器と同様に。

纏龍絲にも独自の秘技がある!

それはレベル25で習得できる「着地即富」だ!

……

「着地即富」

「評價:S(首が落ちれば、俠客は富む)」

「詳細:第一層の着地即富を習得すると、纏龍絲の基本的な使用法を習得し、腕力と握力が1ポイント上昇する」

「消費:100義侠値/第一層」

……

纏龍絲のバックグラウンドストーリーにはこう書かれている:

古代、富める者から奪って貧しい者に施す俠客たちがいたという。

彼らは不正な金持ちを暗殺する際、纏龍絲を使用した。

そこから「首が落ちれば、俠客は富む」という言葉が生まれた。

秘技の名前もそこから来ている。

この話を読んで。

ロジャーはこのモジュールを設計した人がかなり中二病だと感じた。

どちらにせよ。

「着地即富」の説明を読んだ後。

ロジャーはこの秘技を即座に極めた。

着地即富は全部で三層あり、合計1200義侠値を消費する。

しかしロジャーはそれだけの価値があると考えた。

第三層の「着地即富」を習得後、彼の腕力と握力は大幅に上昇した。

同時に。

戦闘中にあらゆる姿勢で纏龍絲を使用して絞殺を行えるようになった!

これは非常に重要なことだ。

なぜなら、ロジャーの狩獵マニュアルでは。

纏龍絲は雷奔龍の鱗を削る……

いや、剥ぐための完璧な武器だからだ!

一度雷奔龍がその堅固な鱗を失えば。

簡単に言えば、ただの肉の塊に過ぎない。

……

二十六本の低性能な赤月刃と纏龍絲の他に。

ロジャーはこの鍛冶屋で十六本の非常に重い両手長斧も購入した。

この斧は通常、木を切るために使用される。

斧の刃はそれほど鋭くない。

しかしロジャーの計画では、これらも役に立つかもしれない。

備えあれば憂いなしだ。

彼は店主と残金を清算し、適当な理由で相手を引き離した後、

ガーゴイルを呼び出し、これらの武器を一気に飲み込ませた。

そして悠々と曙光町を後にした。

……

夜。

農場の隣にある新しい倉庫の中。

燭台の下でロジャーは懸命に筆を走らせていた。

彼の前には分厚い書物が置かれている。

書物は今、開かれた状態だ。

複雑な文字が頁の上で楽しげに踊っている。

ロジャーは頻繁に手で頁を押さえ、文字が飛び出すのを防がなければならなかった。

この本は紅袖兄弟會の副首領から見つけた『角魔契約』だ。

データ欄には。

……

「新職業を獲得:契約師(補助型)」

「契約師選択肢:1.副職 2.拡張モジュール(拡張スロット不足)3.放棄」

……

「そろそろだな」

ロジャーは羊皮紙の文字を一瞥し、少し息を吐いた。

次の瞬間。

彼は引き出しから清潔な兎皮の束を取り出し、机の上に広げた。

そして素早く「副職」を選択した。

「こんなに長く準備してきた兎皮が、やっと役に立つ時が来た」

ロジャーは少し興奮気味だった。

……

「契約師を副職として習得」

「契約師は補助型職業のため、経験値ペナルティは1/5に軽減」

「契約ポイントを1獲得(契約ポイント1につき契約生物を1体召喚可能;

契約生物が死亡すると、契約ポイントは失われる)」

……

補助型職業とは、職業総レベルに算入されない副職のことだ。

例を挙げると。

副職を取得する前。

ロジャーはLV25の隱密俠とLV1の氣功師で、職業総レベルはLV26だった。

副職取得後。

彼はLV1の契約師になったが、総レベルは変わらない。

この状況では。

彼が受ける副職の経験値ペナルティは通常の五分の一になる。

かなり得な副職選択と言える。

補助型職業の欠点は、その職業環数が主職業より一環低くなければならないことだ。

ロジャーは現在三環の主職業だ。

そのため契約師のレベル上限は20となる。

しかしそれらは重要ではない。

ロジャーは考えることなく、すぐに経験値を「契約師」に振り分けた。

同じく補助型職業であるため。

契約師のレベルアップに必要な経験値消費は実際かなり少ない。

……

「契約師のレベルが20に上がった」

「契約ポイントを1獲得しました(累計10ポイント)」

「特技:忠誠心(LV10)を獲得しました」

「特技:天を欺く(LV20)を獲得しました」

「契約生物リストに3種の新生物が追加されました:類角魔、角魔戦士、角魔領主」

……

「運がいい、『天を欺く』が出た」

前世でロジャーは契約師を副業としていた。

そのため、この分野では非常に深い経験を持っている。

この特技は小さな逸品だ。

……

「天を欺く(契約師特技):契約ポイントが2倍になる」

……

これはロジャーの契約生物の数が10体から20体に増えることを意味する。

戦闘力は倍以上に上がる!

もう一つの特技『忠誠心』も悪くない。

効果は「各契約生物の初期忠誠度が+20される」。

これからロジャーが召喚する狡猾な悪魔にとって。

忠誠度が1点でも高いのは良いことだ。

副業の準備が整った後。

ロジャーは躊躇せず、カペラから盗んだ羽ペンを取り、素早く兎皮に契約を書き始めた!

彼が召喚したい生物は「類角魔」だ。

角魔戦士は諦めた方がいい。

全てが超凡の軀にエリートモデルを持つ、ロジャーは一対一でも勝てないかもしれない。

角魔領主に関しては。

ロジャーが自殺したくなった時に、考えてみることにする。

……

ロジャーは熟練した筆さばきで書いていく。

燭光が揺らめく中。

兎皮には地獄語の文字が隙間なく埋め尽くされた。

倉庫の空き地で。

空間が歪み。

上半身裸の類角魔が突如として現れた。

この奴は三メートルの高さがあった。

頭の尖った角は倉庫の天井にほとんど届きそうだった!

上半身と両足は裸で、下半身には白い布切れを巻いているだけで、他の部分は筋肉が隆々としていた。

特に目を引く胸筋は、大きすぎるほどだった。

これはレベル31の類角魔だ。

ロジャーが召喚できる限界でもある。

類角魔が目を見開いて何かしようとした時、傍らのガーゴイルが突然飛び上がった!

ロジャーは適当に一瞥を投げかけた!

類角魔は身体を震わせた。

すぐに片膝をつき、両手を胸の前で組み、地獄語で服従を表明した。

……

「新しい召使いを得ました:類角魔」

「初期忠誠度:80」

……

「ふむふむ」

ロジャーは前に進み出て、類角魔の胸筋を軽く撫でた。

後者は喉から不快な音を漏らした。

しかし主人の意志に逆らうことはできず、ただじっと動かずにいるしかなかった。

「この筋肉、さすが『富婆快樂魔』だな」

前世のフォーラムでプレイヤーたちが角魔一族に対して下した評価を思い出し。

ロジャーは思わず笑みを漏らした。

彼は両手大斧を取り出して類角魔に渡した。

類角魔はしばらく慣らした後、すぐに上手く振り回せるようになった。

角魔一族は生まれながらの戦士だ。

地獄大君が軍隊を編成する際の第一候補だ。

血統が劣る類角魔でさえ、紛れもない筋肉の猛者だ。

桑奇のホブゴブリンよりずっと強い。

ロジャーは埋骨の地へ雷奔龍を狩りに行くが、農場には見張り番が必要だ。

ガーゴイルは彼の側に置いておきたい。

類角魔は自然と最適な人選となった。

どうせ20体の類角魔を召喚できるのだから、8体を見張り番にして、残りの12体で小隊を組んで龍狩りに同行するのが最適な配置だ。

これらの類角魔は非常に確実な即戦力となる。

これこそが契約師が重宝される理由だ。

もちろん、物事には全て欠点がある。

契約師の欠点は:

契約生物が死亡すると、復活できないだけでなく、契約ポイントも返還されない。

そのため後期になると、多くの人が契約師を忘れ去り、新しい副業を選択する。

ロジャーはそんな長期的な計画は今のところない。

類角魔が使えるうちは使えばいい。

今は、ロジャーは休む間もなく二番目の召喚契約を書き始めた。

こうして。

一夜が過ぎた。

ロジャーが目の下にクマを作りながら欠伸をしつつ倉庫から出てきた時。

倉庫の中には真の意味での魔鬼筋肉人が20体増えていた。

ロジャーは彼らに自由な練習を命じた。

そして朝の倉庫では。

時折このような声が聞こえてきた——

「へいは!」

「ふっは!」

「うぅ……んっ!」

それは類角魔たちが汗を流しながら拳を振るう声だった。

……

翌朝。

ロジャーは領主府を訪れ、半日かけてアラン様と詳細な話し合いを行った。

翌日。

領主府は森羅農場が一時的にアラン様の直接管理下に置かれることを発表した。

ロジャーが指定した数棟の建物がマントを着た類角魔戦士によって守られる以外。

残りの区域はアランが管理を手伝うことになった。

春。

耕作に適した季節だ。

ますます多くの小作人が状況を尋ねに来た。

間もなく。

森羅農場には活気に満ちた耕作の光景が広がった。

新しい小作人たちがカボチャやトウモロコシを植えている時。

緑のるつぼを背負ったロジャー様は既に埋骨の地の西側に到着していた。

前方には。

密生した原始林が広がっていた。

数え切れないほどの巨樹の森が日光を遮っていた。

木々の下には。

まだらな影が広がっていた。

静かな午後。

ロジャーの足が森の縁の土を軽く踏んだ。

厚い枯れ葉が心地よい砕ける音を立てた。

姿の見えない小動物が数匹驚いて逃げ出した。

森の奥深くから。

不安げな獣の咆哮が断続的に聞こえてきた。

……