しばらく躊躇した。
ロジャーは「読み取り」を選んだ。
「史料を調べるのは...覗き見とは言えないだろう」
そう思いながら、目の前に次々と映像が流れ始めた。
ぼんやりとした光景が徐々に現れる。
見終わった後。
ロジャーは顔を青ざめさせた。
「くそっ、騙された!」
「これだけ?これだけかよ?」
「PPTみたいにカクカクするし、あちこちモザイクかかってるし!」
ロジャーは人生で大きな浮き沈みを経験したような気分だった。
諦めきれず、他の記憶の魔晶石を手に取る。
しかし、ほとんどの記憶の魔晶石が破損しており、読み取れない状態だった。
読み取れる数少ないものも、先ほどのよりひどい状態だった!
……
「お客様、お茶をどうぞ」
八さんは、どこからか茶を淹れてきて、震える手で差し出した。
ロジャーは複雑な思いでモザイクだらけの記憶の魔晶石を置き、茶を受け取った。
「ご面倒をおかけして」
八さんの動きが不自由そうな様子を見て、申し訳なく思った。
しかし八さんは真面目な表情で言った:
「曲風マスターは、お客様にお茶を出さないのは特に失礼なことだとおっしゃっていました」
ロジャーは濁った茶を見て、こっそりと望氣術を使った。
……
「深刻な期限切れのお茶:軽度の毒性、致死率は低い」
……
ロジャーは思わず身震いし、急いで話題を変えた:
「ここは以前、修練場だったのですか?」
八さんは頷いた:
「今は私の個人工房です」
「実は、ロジャーさんをここにお招きしたのは、無理なお願いがあってのことなのです」
ロジャーは尋ねた:「何でしょうか?」
八さんは厳かに言った:
「清泉宗に入門し、曲風マスターの弟子になっていただきたいのです」
ロジャーは考えて尋ねた:
「そういうことは、試験とかないのですか?」
八さんは真剣に答えた:
「今の清泉宗の状況では、弟子は人類であれば十分です」
「前回留仙壁の試験に合格したのは灰色ドワーフでした」
「私は彼を追い払いましたが、去る前に秘密庫を焼かれてしまいました」
ロジャーは頷いた:「秘密庫には何が?」