114 ガンスリンガーの細ベルト(ご購読お願いします!)_2

それは一丁のリボルバーだった。

……

「沈默の正義(リボルバー)」

「ランク:SS」

「屬性:命中率+10」

「ドライブ:原初の石(火屬性)」

「通常攻撃:中距離から近距離の単体に対して高速射撃を行い、計7発の彈丸を発射。各彈丸のダメージは40~64の間」

「精密射撃:中距離から近距離の単体に対して狙撃を行う。彈丸の単体ダメージは100~160の間」

「咆哮の正義:原初の石のエネルギーを全て消費し、乱射を行う。各彈丸のダメージが300%上昇」

「要求:射手ライセンス」

……

正直に言うと。

ロジャーはこの銃にあまり興味がなかった。

リボルバーは中距離から近距離の戦闘にしか適していない。その距離帯では、彼は既に無敵に近かった。

「神曲」のような超凡の武器でさえ。

特定の状況でしかロジャーは使用しない。

まして、この程度の代物なら尚更だ。

しかし、この拳銃の下から、ロジャーは他の痕跡を発見した。

ロジャーが一声かけると、部下たちは即座に作業を開始した。

程なくして。

砂に埋もれて久しい骸骨が掘り出された。

それと共に重たそうな武器箱も出てきた。

これはコーヴァス族の標準的な武器箱だった。

中には通常、原初の石、通常彈丸と特殊彈丸、潤滑油、その他の火器のメンテナンス用具が入っている。

ロジャーは射手ライセンスで武器箱を開け、中には様々なものが詰まっているのを見つけた。

まず武器だが。

なんと中には同じ「沈默の正義」が11丁も入っていた!

そして、独特なベルトも。

……

「ガンスリンガーの細ベルト(革製品)」

「ランク:SS」

「屬性:早抜き+10/銃切り+10」

「特殊効果:抜刀後の最初の一発のダメージが倍増」

「隠し収納(16):'沈默の正義'または専用彈丸のみ収納可能」

……

ベルトの下には、分厚い本があった。

『ガンスリンガー速成マニュアル』。

ロジャーは手に取って軽く目を通した。

ステータス画面に新しいヒントが表示された。

……

「新職業を獲得:ガンスリンガー」

「ガンスリンガーの選択肢:1.副職(高経験値ペナルティ)2.上級(前提条件不足で上級不可)3.拡張モジュール(拡張可能)4.放棄」

……

「あぁ、これは……」

手にした本を見つめながら。

ロジャーは瞑想に入った。

12丁の「沈默の正義」。

一本の細ベルト。

ロジャーはすぐに「ガンスリンガー」という職業の戦闘原理を理解した。

主に三つのポイントがある。

1.リボルバーの数で火器のクールダウンとチャージタイムの欠点を補う。

2.細ベルトで早抜きと銃切りを実現する。

3.特殊彈丸で中距離から近距離の単体バーストを強化する。

まとめると二文字:

金食い。

……

結局、ロジャーはこれらの品を一時的に保管することにした。

ガンスリンガーは神槍手の上級職だ。

前世のゲームでは、神槍手はかなり微妙な職業だった。

エンドゲームではスターシップに乗り、メカを召喚すると強力になるという噂があった。

だがロジャーは宣伝動画でしか見たことがなかった。

本当にそれほど強いのかは確信が持てなかった。

そして今は即戦力も特に必要としていない。

死靈術師を苦労して倒して手に入れた拡張スロットは、慎重に使わねばならない。

どうせ本は持っていても無くならない。

拡張の件は、まだ先の話だ。

……

……

赤土荒野の夜は特に寒かった。

地下キャンプでは。

類角魔たちの格闘の音が微かに聞こえてきた。

ポーション部屋では。

「サンチの坩堝」が勤勉に稼働していた。

今、中では大きな黒いものが煮込まれていた。

……

「巨神蟻の殻を大量に追加しました」

「神力素を検出、合計500単位」

「神力素の分離と精製を実行中……」

「25単位の神力素を獲得しました」

……

「サンチは本当にいい子だ。私の藥劑學の成果に大きく貢献してくれた」

ロジャーは嬉しそうに「神力素」を空き瓶に注いだ。

その後、調和剤として良性の薬草と水を加えた。

考えた末。

さらに水を少し足した。

鋼鐵補劑が1本完成した!

……

「鋼鐵補劑:服用後720秒間、基礎防御値+12」

……

属性説明を見て。

ロジャーは満足げな笑みを浮かべた。

「鋼鐵補劑」+「銅皮鐵骨」はマシューの「金鐘罩」と同等!

20ポイントの基礎防御値は既に相当なものだ。

超凡以下なら、誰もが頭を抱えるだろう。

巨神蟻という魔物の領域が与える属性は「一期一会」程度でしかない。

しかし提供される素材は誠意に溢れていた。

これによって、ロジャーの心の中での評価は急上昇した。

その後の一ヶ月間。

ロジャーは人里離れた赤土荒野に居を構えた。

情報に記載された魔物の領域を狩獵しながら、「エーテル喰竜」の痕跡を追っていた。

しかし両方とも進展は思わしくなかった。

赤土荒野の魔物の種類は原始林に遠く及ばなかった。

巨神蟻、多足地竜、白砂蛆といった比較的一般的な魔物の領域以外は、他の魔物は数も少なく、与える属性も中途半端なものばかりだった。

そしてロジャーが気に入ったエーテル喰竜については。

二匹目には全く出会えなかった!

一ヶ月の間に。

ロジャーは12の蟻の巣を壊滅させ、彼の手にかかった巨神蟻は千万を超え、腎臓の代謝能力も300ポイントに達した。

「百毒不侵の術」を基礎として。

彼の毒素耐性は80ポイントまで上昇し、ほとんどの通常の毒と50%の超凡の毒を無効化でき、さらに追加の耐久力ボーナスも得られた。

この進捗にロジャーはかなり満足していた。

しかしこの時点で。

彼は日の出町への帰還を決意した。

一つには、エーテル喰竜の情報を探すため。

もう一つは糧食が不足してきたからだ。

原始林での狩獵では、類角魔たちは完全に自給自足できた。魔物の種類が豊富すぎたからだ。

しかし赤土荒野は違った。

半月も経たないうちに。

ロジャーがパラマウント荘園から持ってきたレタス、トウモロコシ、干し肉は部下たちによってきれいに消費されてしまった。

補給のため街に戻る必要があった。

今回はガーゴイルを連れず、別の人皮の仮面を着用した。

それは少し軽薄そうな若者の顔だった。

そして彼と共に日の出町へ向かう従者はキツツキさんだった。

この者は赤土荒野でレベルアップを果たし、新技能:變身術を習得していた。

ロジャーの強い要望により。

一日後。

日の出町は新しい冒險者の組み合わせを迎えた。

それは棺を背負った軽薄な少年。

そして黒いレースのエプロンを着た小柄な少女だった。

少女は赤い肌を持ち、額には二本の角があり、目は魅惑的な青色をしていた。

眉をひそめたり笑ったりする表情には。

異国情緒が漂っていた。

……

午後。

ドラゴンイン。

カウンター。

「エーテル喰竜について聞きたいって?」

無愛想なバーテンダーは目も上げずに応じた:

「どうした?」

「お前もあの懸賞に興味があるのか?」

「まあな、浮島の旦那方も半年以上頭を悩ませているしな。聞くところによると『エーテル喰竜』は上で大量発生しているらしいが……」

……