それは一丁のリボルバーだった。
……
「沈默の正義(リボルバー)」
「ランク:SS」
「屬性:命中率+10」
「ドライブ:原初の石(火屬性)」
「通常攻撃:中距離から近距離の単体に対して高速射撃を行い、計7発の彈丸を発射。各彈丸のダメージは40~64の間」
「精密射撃:中距離から近距離の単体に対して狙撃を行う。彈丸の単体ダメージは100~160の間」
「咆哮の正義:原初の石のエネルギーを全て消費し、乱射を行う。各彈丸のダメージが300%上昇」
「要求:射手ライセンス」
……
正直に言うと。
ロジャーはこの銃にあまり興味がなかった。
リボルバーは中距離から近距離の戦闘にしか適していない。その距離帯では、彼は既に無敵に近かった。
「神曲」のような超凡の武器でさえ。
特定の状況でしかロジャーは使用しない。
まして、この程度の代物なら尚更だ。
しかし、この拳銃の下から、ロジャーは他の痕跡を発見した。
ロジャーが一声かけると、部下たちは即座に作業を開始した。
程なくして。
砂に埋もれて久しい骸骨が掘り出された。
それと共に重たそうな武器箱も出てきた。
これはコーヴァス族の標準的な武器箱だった。
中には通常、原初の石、通常彈丸と特殊彈丸、潤滑油、その他の火器のメンテナンス用具が入っている。
ロジャーは射手ライセンスで武器箱を開け、中には様々なものが詰まっているのを見つけた。
まず武器だが。
なんと中には同じ「沈默の正義」が11丁も入っていた!
そして、独特なベルトも。
……
「ガンスリンガーの細ベルト(革製品)」
「ランク:SS」
「屬性:早抜き+10/銃切り+10」
「特殊効果:抜刀後の最初の一発のダメージが倍増」
「隠し収納(16):'沈默の正義'または専用彈丸のみ収納可能」
……
ベルトの下には、分厚い本があった。
『ガンスリンガー速成マニュアル』。
ロジャーは手に取って軽く目を通した。
ステータス画面に新しいヒントが表示された。
……
「新職業を獲得:ガンスリンガー」
「ガンスリンガーの選択肢:1.副職(高経験値ペナルティ)2.上級(前提条件不足で上級不可)3.拡張モジュール(拡張可能)4.放棄」
……
「あぁ、これは……」
手にした本を見つめながら。
ロジャーは瞑想に入った。
12丁の「沈默の正義」。
一本の細ベルト。
ロジャーはすぐに「ガンスリンガー」という職業の戦闘原理を理解した。
主に三つのポイントがある。
1.リボルバーの数で火器のクールダウンとチャージタイムの欠点を補う。
2.細ベルトで早抜きと銃切りを実現する。
3.特殊彈丸で中距離から近距離の単体バーストを強化する。
まとめると二文字:
金食い。
……
結局、ロジャーはこれらの品を一時的に保管することにした。
ガンスリンガーは神槍手の上級職だ。
前世のゲームでは、神槍手はかなり微妙な職業だった。
エンドゲームではスターシップに乗り、メカを召喚すると強力になるという噂があった。
だがロジャーは宣伝動画でしか見たことがなかった。
本当にそれほど強いのかは確信が持てなかった。
そして今は即戦力も特に必要としていない。
死靈術師を苦労して倒して手に入れた拡張スロットは、慎重に使わねばならない。
どうせ本は持っていても無くならない。
拡張の件は、まだ先の話だ。
……
……
赤土荒野の夜は特に寒かった。
地下キャンプでは。
類角魔たちの格闘の音が微かに聞こえてきた。
ポーション部屋では。
「サンチの坩堝」が勤勉に稼働していた。
今、中では大きな黒いものが煮込まれていた。
……
「巨神蟻の殻を大量に追加しました」
「神力素を検出、合計500単位」
「神力素の分離と精製を実行中……」
「25単位の神力素を獲得しました」
……
「サンチは本当にいい子だ。私の藥劑學の成果に大きく貢献してくれた」
ロジャーは嬉しそうに「神力素」を空き瓶に注いだ。
その後、調和剤として良性の薬草と水を加えた。
考えた末。
さらに水を少し足した。
鋼鐵補劑が1本完成した!
……
「鋼鐵補劑:服用後720秒間、基礎防御値+12」
……
属性説明を見て。
ロジャーは満足げな笑みを浮かべた。
「鋼鐵補劑」+「銅皮鐵骨」はマシューの「金鐘罩」と同等!
20ポイントの基礎防御値は既に相当なものだ。
超凡以下なら、誰もが頭を抱えるだろう。
巨神蟻という魔物の領域が与える属性は「一期一会」程度でしかない。
しかし提供される素材は誠意に溢れていた。
これによって、ロジャーの心の中での評価は急上昇した。
その後の一ヶ月間。
ロジャーは人里離れた赤土荒野に居を構えた。
情報に記載された魔物の領域を狩獵しながら、「エーテル喰竜」の痕跡を追っていた。
しかし両方とも進展は思わしくなかった。
赤土荒野の魔物の種類は原始林に遠く及ばなかった。
巨神蟻、多足地竜、白砂蛆といった比較的一般的な魔物の領域以外は、他の魔物は数も少なく、与える属性も中途半端なものばかりだった。
そしてロジャーが気に入ったエーテル喰竜については。
二匹目には全く出会えなかった!
一ヶ月の間に。
ロジャーは12の蟻の巣を壊滅させ、彼の手にかかった巨神蟻は千万を超え、腎臓の代謝能力も300ポイントに達した。
「百毒不侵の術」を基礎として。
彼の毒素耐性は80ポイントまで上昇し、ほとんどの通常の毒と50%の超凡の毒を無効化でき、さらに追加の耐久力ボーナスも得られた。
この進捗にロジャーはかなり満足していた。
しかしこの時点で。
彼は日の出町への帰還を決意した。
一つには、エーテル喰竜の情報を探すため。
もう一つは糧食が不足してきたからだ。
原始林での狩獵では、類角魔たちは完全に自給自足できた。魔物の種類が豊富すぎたからだ。
しかし赤土荒野は違った。
半月も経たないうちに。
ロジャーがパラマウント荘園から持ってきたレタス、トウモロコシ、干し肉は部下たちによってきれいに消費されてしまった。
補給のため街に戻る必要があった。
今回はガーゴイルを連れず、別の人皮の仮面を着用した。
それは少し軽薄そうな若者の顔だった。
そして彼と共に日の出町へ向かう従者はキツツキさんだった。
この者は赤土荒野でレベルアップを果たし、新技能:變身術を習得していた。
ロジャーの強い要望により。
一日後。
日の出町は新しい冒險者の組み合わせを迎えた。
それは棺を背負った軽薄な少年。
そして黒いレースのエプロンを着た小柄な少女だった。
少女は赤い肌を持ち、額には二本の角があり、目は魅惑的な青色をしていた。
眉をひそめたり笑ったりする表情には。
異国情緒が漂っていた。
……
午後。
ドラゴンイン。
カウンター。
「エーテル喰竜について聞きたいって?」
無愛想なバーテンダーは目も上げずに応じた:
「どうした?」
「お前もあの懸賞に興味があるのか?」
「まあな、浮島の旦那方も半年以上頭を悩ませているしな。聞くところによると『エーテル喰竜』は上で大量発生しているらしいが……」
……