ロジャーは喜んで、素早く手を差し込んだ。
巣の中は湿っぽく、暖かく、硬かった。
彼は手で暫く探った。
この巣のジョニータートルの卵は20個ほどあった。
卵一つ一つがロジャーの手のひらほどの大きさだった。
彼は一つの卵を取り上げ、耳元で軽く振ってみると、とても微かな鈍い音がした。
彼は亀の卵に罪の印を付けようとした。
すると、なんと成功した。
次の瞬間、ロジャーは卵の殻を平手打ちした!
粉碎掌。
卵の殻に細かいひびが入った。
それ以外には何も変化がなかった。
しかし、データ欄に新しいヒントが表示された。
……
「ジョニータートルを倒した」
「9XPを獲得した」
「寿命が31536000秒増加した!」
……
「やったぜ!」
ロジャーは大喜びした。
これは最高じゃないか?
卵を殺すのが亀を殺すのと同じだと分かっていれば、亀なんて殺す必要なかったのに!
喜びのあまり、手に力が入りすぎて、卵の殻に小さな穴が開いてしまった。
金色のゼリーのような粘り気のある物質がゆっくりと流れ出してきた。
彼は慌ててるつぼから清潔な器を取り出し、この粘り気のある物質を受け止めた。
「この匂い……まるで『龜力強』そのものじゃないか?」
ロジャーは人差し指を舌に当てて舐めてみた。
刺激的な生臭さ。
少し強烈だった。
彼は思いつき、ゼリー状の物質の一部をるつぼに入れて成分の抽出と分離を行った。
結果は驚くべきものだった。
このゼリーは活力劑の4倍濃縮に相当する完成品だったのだ!
効果はロジャーが自作した「龜力強」よりも強力だった!
雪の中のジョニータートルの卵の巣を見つめながら。
ロジャーは思わず目が潤んだ。
冷たい風が吹きすさび、融けた雪が冷たかった。
この空っぽの水鬼の森の中で。
この「龜力強中強」だけが彼に少しばかりの温もりを与えてくれるのだ!
……
彼は電光石火の速さですべての亀の卵を片付けた。
そして割れた卵を手のひらに載せた。
視線で割れた卵を選択する。
この時、もう一人の仲間から受け継いだ特技が役立った。
究極のハンター!
発動!
ロジャーの視界に、突然金色の点線が複数現れた。
これらの点線は水鬼の森の様々な方向を指し示していた。
彼は頭を下げ、指で割れた卵を優しく揉みほぐした。
そして割れた卵の匂いを嗅いでみた。
最後に、彼は舌を出して卵の殻を舐め、「龜力強中強」の残りも舐めた。
……
「究極のハンター:対象の基本情報をロック、既知の痕跡+10」
……
「究極のハンター:対象の硬度をロック、既知の痕跡+5」
……
「究極のハンター:対象の匂いをロック、既知の痕跡+20」
……
「究極のハンター:対象の味をロック、既知の痕跡+5」
……
多くの点線が消えた。
代わりに目標地点を指し示す金色の実線が現れた!
これこそが究極のハンターの強みだった。
亀の巣の位置と母亀たちが産卵前に這った経路に重なりがあれば、水鬼の森のすべての潜在的な亀の巣を見つけることができるのだ!
究極のハンターの導きに従って。
ロジャーは楽しい卵探しの旅を始めた。
目標を正確に追跡するため、彼は特に歩行を選び、風使いは使わなかった——
実際、低空での風使いもそれほど速くはなく、主にかっこよさのためだった。
5分後。
ロジャーは巨岩の下で、また一つの亀の巣を見つけた。
この巣にはもっと多くの卵があり、38個もあった。
これにロジャーは笑いが止まらなかった。
さらに3分後。
彼は3つ目の巣を見つけた。
今回は9個の卵だけだった。
ロジャーは首を振り、この巣を産んだ母亀の努力不足を責めたくなるほどだった。
幸い4つ目と5つ目の巣が、彼の心の傷を大いに癒してくれた。
2つの巣を合わせると60個近い卵があった。
これらの亀の卵を素早くるつぼの空いたスペースに詰め込んだ。
ロジャーは今日の陽光がより一層明るく感じられた。
……
こうして。
ロジャーは一気に水鬼の森の亀の卵を全て持ち去った!
最終的に合計798個のジョニータートルの卵を手に入れた。
サンチの坩堝があっても、3往復もしなければならなかった!
そしてこの過程で。
彼は水鬼の森の奥深くまで入り、埋骨の地の端にまで到達した。
そこで、彼は巨大な足跡を見つけた。最近付けられたもののようだった。
足跡は約3メートルの長さで、三本指があり、鋭い逆向きの爪が地面に小さな穴を開けていた。
彼は望氣術で調べてみた。
……
「何らかの捕食者の足跡:レベル30+/巨大な体格/危険度高」
……
占いを使えば、この魔物の具体的な状況がわかるだろう。
しかし、ロジャーはまだ埋骨の地に向かう予定はなかった。
そのため、すぐに退散することにした。
帰り道で。
あの巨大な足跡が彼の脳裏に何度も浮かんできた。
これは人類が巨大生物に対して抱く本能的な畏怖と恐怖なのだろう。
ロジャーは精神を集中し、体内を流れる気の流れを静かに感じ取った。
そうしてようやく、その足跡を頭から追い出すことができた。
……
雪解けの時期の水鬼の森は非常に静かだった。
あまり遠くに行かないうちに、ロジャーは再び水魔の群れと遭遇した。
「さすが水鬼の森だな、水魔が本当に多いわ」
ロジャーは本能的に左手の気穴から赤月刃を抜いたが、すぐに戻した。
「水魔ごときに赤月刃を使うのは無駄だな」
彼は逆手で青銅の剣を抜いた。
つま先で雪面を軽く蹴り、まるでワイヤーに吊られたかのように真っ直ぐに飛んでいった。
シュッシュッシュッ!
青銅の剣は正確に水魔たちの心臓と後頭部を貫いた。
一撃で仕留めることは難しかったが、急所への攻撃によるダメージで、水魔たちはすぐにお馴染みの全滅シーンを迎えた。
プッという音。
最後の水魔を倒した。
ロジャーは雪面にしっかりと着地し、左手を振って清潔な麻布を取り出し、青銅の剣を軽く拭いた。
その時、予期せぬヒントが画面に流れた。
……
「水魔を1体倒した。累計で水魔1964体を倒し、マイルストーン-水鬼ハンターの新記録を更新した」
「1ポイントのXPを獲得した」
「肝臓代謝能力が微かに上昇した」
「肝臓代謝能力が700ポイントに上昇した(これ以上上昇できません)」
「第三の罪の印を完成させ、特技:百毒不侵の術を獲得した」
……
「あれ……」
ロジャー自身も予想していなかった。
意図的に亀を探すのは難しいが。
何気なく魔物を倒すことで達成できた。
自分の第三の罪の印が、まさか水魔によって完成するとは!
……
「百毒不侵の術(3環特技):毒素耐性が70ポイントに上昇し、ほとんどの普通の毒、および40%の超凡の毒を無効化できる」
……
正直に言えば、この屬性はかなり良いものだった。
毒耐性が魔法耐性のようにパーセンテージで計算されないことにロジャーは少し不満だったが。
しかし、これが肝臓代謝能力が最大になった後のおまけだと考えれば、実際にはかなり強力だった。
ロジャーは確認してみた。
700ポイントの肝臓代謝能力は、強力な解毒能力と追加の精力ボーナスを意味していた。
前者は「百毒不侵の術」に反映されている。
一方、精力値は半隠れ屬性だった。
ロジャーには円柱体しか見えなかった。
その中には黄色い気体が貯蔵されていた。
黄色い気体が減少すると、精力が消耗していることを示す。
気体がほぼ枯渇すると、疲労困憊を意味する。
以前と比べて。
ロジャーの円柱体は3倍以上も太くなっていた!
「よく考えてみれば、水魔からの恩恵も悪くないな」
「ただ、以前の経験が深すぎて……魔爆蛙、灰色ドワーフ、ジョニータートルを経験した後では、私の目が少し肥えすぎていたようだ」
「これは良くない」
ロジャーは思わず自己批判した。
このような態度では、一見たいしたことのない、実は非常に有用な屬性を見逃してしまう可能性がある。
今後は謙虚で控えめな心構えを保ち、それぞれの屬性を慎重に扱う必要がある。
心の中で水魔の地位を少し引き上げた後。
ロジャーは少し嫌そうにそれらの泥の中を探った。
いつものように良いものは何もなかった。
「戦利品に関しては、やはり弱いものは弱いままだな」
そう思っていると、望氣術の視界に突然濃い紫色が飛び込んできた!
ロジャーは急いで青銅の剣で泥をかき分けた。
そこには。
指輪とイヤリングが一つずつ見つかった。
雪水で洗い流すと。
望氣術の下で両者の真の姿が現れた。
……
「仙宮の指輪(セット装備2/6)(副手)」
「ランク:SS」
「屬性:魅力+1」
「特殊効果:受けるすべてのダメージが4%減少する」
……
「仙宮のイヤリング(セット装備3/6)」
「ランク:SS」
「屬性:體力+1」
「特殊効果:受けるすべてのダメージが4%減少する」
……
「ヒント:仙宮の裝備が3点揃いました。セット効果を発動しますか?」
……
「こんなことも?」
ロジャーは思わず太腿を叩いた:
「今日からは水魔は対等な本当の兄弟だ!」
「誰かが俺の兄弟が貧相で戦利品を落とさないなんて言ったら、それは俺に喧嘩を売っているようなものだ!」
データパネルには。
……
「ヒント:セット装備(3)効果の発動が完了しました」
「受けるすべてのダメージが20%減少する」
「毎月1回の'仙宮の秘寶'を獲得した」
「今すぐ開きますか?」
……