103 細かすぎる!

衝動を抑えて実践を我慢する。

ロジャーは戰利品の山から三つ目の使える物を見つけた。

それは珍品だった。

「魔法品鑑定の巻物」と「顯影藥水」の助けを借りて。

彼はすぐにこの珍品の詳細な属性を知ることができた。

……

「行軍令(珍品)」

「屬性:あなたの部隊の士気+10」

「エンチャント:急行軍(1日1回)」

……

これは戦略的に重要なアイテムだった。

ロジャーはとても気に入った。

士気上昇も急行軍も、戦場では非常に実用的な効果だ。

このアイテムも死の予言者から得たものだ。

以前、彼もこの珍品を使ってロジャーへの伏撃を成功させた。

ただし最後の結果は期待通りではなかった。

……

四つ目のアイテムは「水中呼吸モジュール」一式だった。

ロジャーは簡単に内容を確認した。

中には「水中呼吸藥」四本、「水かき形成スプレー」二本、「耐壓スーツ」二着が含まれていた。

このモジュールセットで男女二人が48時間以上水中活動できる。

かなり実用的だ。

……

最後にロジャーが目をつけたのは、真っ黒な石碑だった。

ロジャーにはその名前しか見えなかった——

「奇妙な墓石???」

望氣術の視界の中で。

ロジャーは紫と黒の気が石碑の上で絡み合い、龍や蛇のように生き生きと動いているのを見ることができた。

これまでこのような道具を見たことはなかったが、ただものではないことは確かで、手に入れるのは当然の選択だった。

残りの物は烏古とキツツキさんに任せることにした。

装備を確認した後。

ロジャーは急いで「妖精面紗」を装着しなかった。

代わりに何か理由をつけて類角魔たちを全員追い出した。

こうして。

地下キャンプには彼一人だけが残された。

これは不測の事態を防ぐためだ!

結局のところ、魅力という属性にロジャーはあまり詳しくない。

魅力の高い人の一挙手一投足が周りの人々に大きな影響を与えることしか知らない。

18ポイントの魅力で猛者の部下たちが理性を失い、無謀な行動に出ないとも限らない!

「何事も慎重に行動するのが賢明だ!」

そう考えて、ロジャーは即座に妖精面紗を装着した!

……

「妖精面紗を装着しました。あなたの魅力が18ポイントに上昇しました」

「ヒント:あなたの性的特徴が消失しました。他者はあなたの性別を観測または判定することができません」

……

その感覚は、どう言えばいいのか、一言では言い表せない。

とにかく特別な感覚だった。

ロジャーは自分の姿は見えなかった。

しかし体が軽くなったのを感じることができた。

その場で二周歩いてみると、面紗を付けた後、全体的に自信が増したように感じた。

そのとき。

ステータス欄に新しい変化が現れた。

……

「ヒント:あなたの体は天界の血統に近づいています(進度33%)」

……

「天界の血統?」

「私の黃金トウモロコシについに進展が?」

ロジャーは最初喜んだが、すぐに悩み始めた。

しばらく考えた後。

そしてゆっくりと妖精面紗を外すと、体は元の状態に戻った。

思わずほっと息をついた。

ロジャーは「妖精面紗」を「透明マント」と一緒に保管することにした。

当面は、やむを得ない場合以外は使用しない道具として分類することにした。

この二つのアイテムの共通点は、確かに優れた属性を持っているということだ。

欠点は少し怪しいということだ。

ロジャーは忍耐力の高い人間で、利益のためなら手段を選ばない。

しかし底線は持っている。

自殺系の装備と同様に。

問題が起こる可能性のあるものは。

できるだけ使用欲を抑制するようにしている。

……

妖精面紗を片付けた後。

ロジャーの心配の種も一つ解消された。

実は彼が最も気にしていたのは、先ほどのヒントだった。

「天界の血統の前提条件の一つが性的特徴の消失?」

この推測にロジャーは少し受け入れがたい気持ちになった。

彼が頭を抱えて考え込んでいるとき。

突然、キャンプの入口に怪しげな人影がうろついているのに気付いた!

ロジャーは思わず厳しい声で叫んだ:

「何をしている?」

その二人の部下はまるで夢から覚めたかのように答えた:

「下から強い引力を感じたんです……」

ロジャーは冷たい表情で彼らを追い払った。

妖精面紗を当面使用禁止にする決意をさらに固めた!

あまりにも怪しすぎる!

こんなに離れた距離からでもこの二人を引き寄せてしまうなんて。

ロジャーが先手を打って防いでいて良かった。

そうでなければ面紗の思い通りになっていただろう。

先ほどの未然に防いだ絶妙な対応を思い返して。

珍しく自画自賛した:

「私って本当に細かいところまで気が付くな!」

……

二日後。

秋風山脈北部。

瓢箪型の谷の入口で。

びっしりと死霊の軍勢が谷口に並んでいた。

人と龍を半分ずつ持つ怪物が、その陣の中で暴れまわっていた!

ロジャーが前方に飛び込み、猛龍の尾を振り回すと、二十体以上のスケルトン兵営が一掃された!

これらの取るに足らない死霊の領域の生物は彼の前では、まるで秋の麦わらのようだった——

風に揺られるのを待つしかできない。

刈り取られるのを待つだけだ。

……

「ドン!」

ロジャーは一撃で穴を開け、ついでに十数体の強化アンデッドを倒した。

死霊の領域から次々と湧き出てくるが。

魔法免疫と高防御を持つロジャーにはまともなダメージを与えられない。

連日の戦闘で。

ロジャーは第二形態の扱いも完璧になっていた。

彼は第二形態がますます気に入っていた。

鱗も四肢も、極めて大きな安心感を与えてくれる。

そしてあの太い尾も。

骨竜を倒してから、彼は尾の開発に興味を持ち始めた。

何度か試してみると。

これは確かに超兵器だと分かった。汎用性が高すぎるのだ:

打つ、引く、振る、突く、刺す、掘る……

ロジャーが思いつくどんな動きも。

この尾は軽々とこなせる。

この点について、類角魔たちも羨ましがっている——

彼らにも尾はあるが。

ロジャーのと比べると細すぎて、大した用には立たない。

汎用性が高いという特徴の他に。

ロジャーは第二形態と尾の特徴を組み合わせて、新しいスキルを開発した!

「フッフッフッ!」

敵陣の奥深くに単身で突っ込み、背後の尾が自動的にぐるぐると回転し始め、すぐに縄のように絡み合った。

大量の電光が地面から立ち上がる!

側近が絶好のタイミングを見計らって「擬似魔法:豪雨召喚」を放った!

土砂降りの雨が瞬く間に周囲のユニットを濡らした。

十分に溜め込んだロジャーは一気に解き放った!

「バシャバシャ!」

高速回転する尾が連続的な鞭打ちの動きと共に、まるで雷嵐のような効果を生み出した。

水の元素の伝導により。

すべての死霊たちは雷電のダメージを受けた!

雷と雨の中で。

大量の骨格が音もなく倒れていった。

ロジャーは自分の尾を見て、満足げな表情を浮かべた。

この技を「雷龍掘削」と名付けた!

ステータス画面に。

……

「獣化した体に執着し始めたため、新しいマイルストーン:獸化審美を獲得」

「獸化審美:人間でいることを望まなくなった」

「対応称号:野味愛好家(動物親和度+10)」

……

悪趣味なマイルストーンシステムを無視して。

ロジャーは意気込んで戦場での殺戮に没頭した。

しかしそれほど経たないうちに。

彼は陰鬱な表情で死靈術師たちの前に駆け寄り、大声で問いただした:

「どういうことだ?」

「降参します!」

一人の死靈術師がヒステリックに叫んだ:

「もう対抗しません、どうか見逃してください!」

「降参させないとしたら?」

ロジャーの表情は極限まで険しくなった。

彼の冷たい視線が臆病な死靈術師たちを一人一人見渡した。

攻撃する意志どころか、声を上げる者すらいなかった!

ロジャーの目は極限まで失望に満ちていた:

「お前たちは俺が殺した中で最低の死靈術師だ!」

そう言うと。

死靈術師たちの驚愕の眼差しの中。

巨大な掌が次々と叩きつけられ、乱暴に彼らを骨粉に叩き潰した!

……

「知覺の欠片×2を獲得」

「累計知覺の欠片:99個」

……

「つまらん!」

ロジャーは不満げに罵った。

死の予言者の部隊を全滅させてから。

秋風山脈の死霊の数は急激に減少していた。

彼は苦労してようやくこれらの死靈術師を見つけた。

しかし収穫は平凡だった。

名誉ポイントは二万の大台に乗らず、知覺の欠片も99で止まっていた。

これにロジャーはイライラしていた。

しかしちょうどその時。

戦場の端に青い幽霊のような影が現れた!

それは先日単独で離れた凜冬のガーゴイルだった。

「どうだ?アランの情報は掴めたか?」

「ん?道中で変わった死靈術師の一団に出くわしたって?」

「数はどれくらいだ?」

ロジャーは目を輝かせ、急いで詳細を尋ねた。

「なに?6人だけ?」

「ふむ……6人でもやる!」

ロジャーは太ももを叩いて、決意を固めた。

……

半日後。

秋風山脈北部、連なる山々の中。

単眼鏡の中に。

大胆な服装の若い女性が大きな馬に跨っていた。

もともと魅力的な体つきが揺れる馬上でより一層目を引いた。

「これが死靈術師だと?」

ロジャーは傍らのガーゴイルに文句を言った。

後者は困惑して首を傾げた。

レベル4に上がったばかりの望氣術の視界に。

関連データが静かに浮かび上がった。

……

「マレーナ(死靈/エリート)」

「職業:死靈術師LV38/夫探し屋LV1」

「特技:???」

……