……
「オーラエフェクト・荊棘フィールド:近距離物理攻擊を受けた時、その威力の一部を吸収し、オーラの範囲内の敵にフィールド魔法として反射する」
……
荊棘フィールドの詳細な説明を読み終えた。
ロジャーの目がより一層輝いた。
この屬性の効果は彼の想像以上に強かった。
「荊棘フィールド」の反射ダメージはダメージを受ける必要がないのだ。
敵が近距離物理攻擊を完了するだけでいい!
これは近接戦闘において。
たとえロジャーが回避やパリィをしても。
相手の攻擊によって生じた威力が反射されるということだ。
しかもフィールド魔法として!
「殴られ続ければ、私は法術師さまになれるってこと?」
ロジャーの心には瞬時に多くの新しい戦術が浮かんだ。
間違いなく。
「荊棘フィールド」はT1屬性だ!
今唯一考慮すべきは暴走の荊の数だけだ。
しかしロジャーはあまり心配していなかった。
彼の心の中には確信があった:
「刺すのが好きな奴ら。」
「数は少なくないはずだ。」
……
暴走の荊が死んだ後。
枯れ枝と細長い針状のものだけが残された。
これは「トゲ」と呼ばれる。
「トゲ」は暴走の荊の体中で唯一攻擊性のある器官だ。
望氣術と超常感知の洞察の下。
暴走の荊に関する情報が次々とロジャーの脳裏に流れ込んできた。
……
暴走の荊のレベルは42~45の間。
ライフポイントは通常600以上で、防禦値も30ある。
4つの特性レベルを持っている。
そのうち2つは防禦力、生命力、各種耐性を大幅に増加させる効果がある——
これがロジャーがこんなに長く斬り続けた理由だ。
残りの2つはそれぞれ「プラントフレンジー」と「貪慾の饗宴」だ。
……
「プラントフレンジー:暴走の荊は並外れた移動速度を持つ。ほとんどの場合、普通の荊のように変装しているが、狂暴狀態になると、その移動速度は200以上に上昇する」
……
「貪慾の饗宴:獲物を殺した後、暴走の荊はそれを絡めとり、大量の黄緑色の粘液を分泌する。この粘液は極めて強い腐蝕性を持ち、これが暴走の荊の食物消化方法である」
……
ざっと一通り見た限りでは。
ロジャーは暴走の荊の行動パターンを完全に理解した。
この種の魔物は密かに人を刺して倒し。
その後絡めとって「貪慾の饗宴」を発動する。
最終的に満腹の食事を完了する。
蜘蛛様の魔物に少し似ている。
違いは。
暴走の荊のトゲがより凶悪だということだ!
放出する神経毒は極めて強い致死性を持つ。
大半の人間は一刺しで。
その場で即死する!
たとえ類角魔のように強靭な体を持つものでも、即座に意識を失う。
もしロジャーが事前に各種解毒劑を準備していなければ。
この部下もおそらくその場で命を落としていただろう。
それでもなお。
解毒劑や他の薬を服用した後も。
刺された類角魔はまだぼんやりとしており、状態は非常に悪かった。
様子を見る限り。
少なくとも一週間は回復に時間がかかりそうだ。
ロジャーは仕方なく彼を一時的に黒棺の中に収容した。
南部墓野の魔物の強さは。
見て取れるだろう。
……
この一件以降。
部隊の前進はより慎重になった。
特に低木や荊の群生に対する警戒を強化した。
ロジャーも超常感知を最大限に働かせた。
そうすることで意味不明な呟きに悩まされることになるが。
しかし襲撃される確率を効果的に下げることができた。
このようにして。
彼らは2日かけて、この霧に包まれた小道を抜けた。
前方には見晴らしの良い大平原が広がっていた。
小道の出口には。
厳重な警備の城塞がそびえ立っていた。
夜明けの刻。
濃霧は日の光に薄められた。
大勢の人々が城門を出入りしていた。
繁栄の光景だ。
……
「ヒント:秋溪城を発見した」
……
ロジャーは少し安堵の息をついた。
しかし彼は秋溪城には入らなかった。
代わりに部下たちを連れて秋溪城を迂回し、さらに南へと向かった。
この城塞は浮島が支配しており、真理協會の勢力の最南端でもある。
「秋溪城」を中心として。
目に見えない「禁止結界」が東西に向かって未知の地まで広がっている。
これもまたエーテル学会時代の成果だ。
まさにこの結界が南部墓野からの魔物の大規模な北上の可能性を阻止している。
長年の未修理と伝承の断絶により。
この結界は魔物の侵入を100%防ぐことはできない。
常に網の目をくぐり抜けるものがいる——例えばロジャーが先ほど斬った暴走の荊のように。
しかし全体的に見れば。
禁止結界は寶石都市にとって最も重要な保護傘だ。
また浮島の下に住む人々にとって最も感謝すべきバリアでもある。
……
しかし物事には常に両面性がある。
禁止結界は魔物の北上を阻止した。
同時に南部墓野やさらに南方に住む人類の北上の歩みも阻止した。
ロジャーが収集した資料によると。
南部墓野には大量の人類が活動している。
彼らは様々な集落に分かれて暮らしている。
これらの人類はエーテル異変に対していくつかの適応進化を遂げた。
それと同時に。
彼らは依然として独立した人格と正常な知恵級を保持している。
彼らの中にはかなりの人数が寶石都市に入りたがっていた。
しかし、それは簡単なことではなかった。
結界の隙間を見つけない限り、彼らが到達できる最北端は「秋溪城」だった。
そして秋溪城。
それは南北貿易のためだけに建てられた拠点だったのだ!
莎爾の話によると。
浮島が消費する食料資源の80%は秋溪城からの貿易ルートによるものだった。
そして南方の人々が北上するためには。
秋溪城で登録を済ませ、審査を通過する必要があった。
これがこの城塞がこれほど賑わっている理由だった。
浮島の地上住民の目には。
秋溪城はバリアであり。
寶石都市の守護神だった。
そして南部墓野の人々の目には。
それは天堂への入り口。
また越えられない絶望の壁でもあった。
しかしロジャーの目には。
それは浮島の金持ちたちが庶民から搾取するための道具に過ぎなかった——
誰かが畑を耕さなければならないだろう?
寶石都市付近の土地は大規模な農業生産には適していなかった。
しかし南部墓野はまさにその逆だった。
そこの土壌は非常に肥沃で。
植物の成長速度を上げる魔力があるとも言われていた!
そしてこの噂について。
ロジャーはそれが本当であることを願っていた。
……
「秋溪城」を迂回した後。
ロジャーは第六感を使って結界の隙間を見つけた。
そこを通り抜けると。
一行は正式に南部墓野の地を踏んだ。
ここは結界の北側よりもさらに危険だった!
以前の事故が再び起こるのを避けるため。
ロジャーはすべての部下たちを収容してしまった。
超常感知をフルパワーにして。
彼は一人で黒棺と鬼火の術を背負い。
南部墓野の濃霧の中を走り始めた。
……
10日後。
秋溪迴廊の中部。
見慣れた地下キャンプで。
危機感に満ちた屈強な部下たちが黙々と働いていた。
そして6キロ離れた平原で。
ロジャーはクルミの木の高い枝に座り、静かに何かを待っていた。
クルミの木の近くには。
かなり広大な人類の農場があった。
農場にはオクラ、タマネギ、ニンジン、そしてトウモロコシが植えられていた。
すべての作物の生育状態は良好だった。
「事が済んだら農場主からトウモロコシとオクラを買おう」
ロジャーは少し退屈そうにあくびをした。
この10日間の偵察と検討を経て。
彼はついに仮設キャンプの場所を決定した。
この一帯には「暴走の荊」の出没痕跡があるだけでなく、多くの人類の農場が散在していた。
上級任務の目標は「枯れ教團」だった。
ロジャーは現在この邪教組織についての情報が不足していたため、人に聞く必要があった。
彼は農場の人々と交渉を試みた。
しかし相手は警戒心が強く。
ロジャーを追い払ってしまった。
ロジャーも気を落とさなかった。
この付近をさらに巡回し続けた。
昨日の午後。
彼は枯れ教徒らしき男が一つの農場の近くをうろついているのを見かけた。
ロジャーは彼から強い悪意を感じ取った。
そこでここで待ち伏せすることにした。
……
「そろそろ来るだろう?」
彼はそう考えた。
遠くの濃霧の中から。
案の定、黄色い衣装の人々が次々と現れた。
彼らは群れをなしてその農場に押し寄せてきた!
物音を聞いて。
農場から六人の屈強な男たちが飛び出してきた。
彼らは武器を手に持ち。
怒鳴って言った:
「出て行け!」
「お前ら枯れ虫どもが!」
黄衣の者たちは構わず突進してきた。
すぐに激しい戦闘が始まった。
農場側の戦闘力はかなり優れていた。
一対多の状況でも黄衣の集団の襲撃を食い止めていた。
しかし彼らが気付かない隅で。
また別の黄衣の集団が濃霧の端に静かに現れた。
彼らは足音を忍ばせて農場の裏庭に忍び寄っていった。
ロジャーははっきりと見た。
その薄い壁の向こうには、短劍を持って震えている二人の少年がいた。
次の瞬間。
彼は音もなくクルミの木から飛び降り、農場の後方へ疾走した!
……
塀の外で。
大勢の黄衣の者たちが体当たりで薄い木戸を破ろうとしていた。
しかし彼らが気付かない端で。
冷たい光が一瞬きらめいた。
一人の黄衣の者の頭が突然首から滑り落ち、地面に転がった。
……
「枯れ教徒を1名殺害しました」
……
「18ポイントのXPと10ポイントの義侠値を獲得しました」
……
「力の欠片*1(任務アイテム)を獲得しました」
……
「備考:力の欠片は上級期間中の特殊任務アイテムです。
枯れ教團のメンバーを1名倒すごとに、ランダムで一定量の力の欠片を獲得できます。
上級任務の最終決算時に。
力の欠片100個につき追加の屬性:力1ポイントと交換できます」
……