許炎は師匠の手招きを見て、すぐに精神が引き締まり、興奮して近づいてきた。
「師匠はきっと、私が金骨級まであと一歩のところで壁にぶつかっているのを見抜いて、金骨級への突破を指導してくださるのだ!」
興奮して李玄の前に来ると、恭しく礼をして「師匠!」と言った。
「うむ、お前が熱意を持ち続け、勤勉に修行していることは素晴らしい!」
興奮した表情の許炎を見て、李玄は頷き、彼の懸命な修行を認める意を示した。
心の中では嘆息していた。「頭の回転が遅い者は、本当に一途だな。修行で何も成果が出なくても、一筋に勤勉さを保ち続ける。本当に貴重だ!」
「正直に言えば、この弟子は実に...素晴らしい。ただ私が高人ではないのだ!」
許炎は頭が固く、頭の回転も遅く、騙されやすいが、修行への追求と執着、その持続力は、実に貴重なものだった。
「お前はもう一定期間修行を積み、馬歩も長く続けてきた。今日は師匠がより強い技を伝授しよう。」
李玄は厳しい師匠の様子で言った。
「ありがとうございます、師匠!」
許炎は興奮を抑えきれなかった。やはり師匠は自分が金骨級の壁にぶつかっているのを見て、より強力な淬錬の方法を教えてくれるのだ。
「よく見ておけ!」
李玄はそう言いながら、横向きに膝を曲げ、両足を前後に置き、軽く屈んで、両手を上下に、前後に構えた。左手は下腹部の前で掌を下に向け、右手は肘を曲げて肩の高さまで上げ、掌を上に向けた。
姿勢を整えた後、許炎を見て言った。「これからお前は、この馬歩を続けるのだ。わかったか?」
許炎は彼の姿勢を真似て馬歩を取り、頷いて言った。「はい、師匠、わかりました!」
李玄は姿勢を解き、片手を背後に回して言った。「これは基本の姿勢だ。二つの功訣がある。よく悟るのだ。どれだけ悟れるかは、お前の機縁次第だ。」
単に新しい馬歩を教えるだけでは単調すぎる。適当に功訣を作り出そう。
李玄はそう考えながら、ゆっくりと口を開いた。「よく覚えておけ。功訣は『明心觀我真意を養う、気血龍の如く金身を鋳造する』だ。よく悟るのだ。功訣の真意を理解できれば、その妙処を体得できるだろう。」
言い終わると、李玄は両手を背後に組み、悠々と立ち去った。高人の師匠の風格を存分に示した。
一方、許炎は今、心の中で興奮を抑えきれず、つぶやいていた。「明心觀我真意を養う、気血龍の如く金身を鋳造する...本当に非凡な妙訣だ。必ずじっくりと悟らねば!」
「これは必ず金骨級、さらには玉骨級への淬錬の妙訣に違いない。その玄奧を悟れば、必ず金骨を淬錬できるはずだ!」
この時の許炎は、完全に「功訣」に没頭し、我を忘れていた。
頭の中は功訣でいっぱいで、繰り返し唱え、繰り返し黙念し、その中から何かを悟ろうとしていた。
しかし、夜が更けても、彼はまだ何も悟ることができなかった!
「너무 玄奧하다。私は骨錬について既に極めて高い悟りと深い理解があると自負していたが、一時半刻では、その深奥を悟ることができなかった。」
「やはり、師匠の言う通り、功訣を悟れれば、その中の玄妙を体得できるのだ。」
「許炎よ、お前は必ずできる。必ず功訣を悟り、必ず金骨を淬錬できる!」
許炎は絶えず自分を励ました。
目は決意に満ち、少しも気落ちする様子はなかった。
まだ一日も経っていない。このような玄妙な功訣は、三五日かけて悟るのも普通のことだ。
……
李玄は就寝前に外に出てみると、あの愚かな許炎は、まだそこに立って、彼が適当に作り出した功訣を唱えていた。
「この愚か者、まさか魔に取り憑かれたのではないか?」
「頭がおかしくならなければいいが。」
そこで声をかけた。「夜も更けた。寝に戻れ!」
許炎はハッと我に返り、慌てて腰を折って礼をし「はい、師匠!」と言った。
李玄は頷いた。愚かな弟子は少し魔に取り憑かれたようだが、まだ師匠の言うことは聞く。それなら大きな問題はないだろう。
もし本当に行き詰まったら、少し言葉を費やして導いてやればいい。
そう考えながら、李玄は部屋に戻って寝た。
許炎は深く息を吸い、心の中で思った。「悟りは時機によるもの、霊感によるもの。強いて求めれば逆に遠ざかり、その中に陥って抜け出せなくなり、心神を乱してしまう。」
「師匠が私を目覚めさせてくださって、本当に感謝だ!」
「休息して、精神を養い、心神を回復させ、明日また続けよう。」
「功訣はこれほど玄奧なのだから、一朝一夕には悟れない。三五日もあれば悟れるはずだ。私許炎の天賦は、そこまで劣ってはいないはずだ!」
許炎は理解すると、休息に向かった。
……
三日の時が、瞬く間に過ぎた。
許炎は相変わらず、修行、野菜作りと草取り、鶏の世話、ウサギの飼育、料理など、時間の使い方は少しも変わらなかった。
唯一変わったのは、馬歩の姿勢だった。
そして、銅骨円満で止まり、一歩も進めないことだった。
彼は毎日の修行の時、二句の「功訣」を悟ろうとしていたが、依然としてその玄奧を悟ることができなかった。
三日が経っても、何も得るものがなかった。
「私が二句の功訣すら悟れないのなら、どうやって金骨を淬錬し、入門できるというのか?」
「これはただの基礎境界の功訣なのに。入門後の功訣は、必ずもっと玄奧で測り知れないものだろう。そうなれば、私はどうやって修行を続けていけるのか?」
「心を静め、焦ってはいけない!師匠はいつも言っていた。焦るな、高望みするな、着実に進めと...きっと私は何かを見落としているのだ。」
許炎は心を静め、自分の心を落ち着かせた。
「師匠は言った。心に女なければ、修行神の如しと。これは一つの心境だ。これは心の中の最大の雑念を取り除くこと...血気盛んな男子は、常に女性に心を奪われ、心神を乱されやすい。」
「師匠が女性を修行における最大の雑念に例えたのには、深い意味がある。これは師匠が私に、雑念に溺れるなと諭しているのだ。」
「私の雑念とは何か?」
許炎は「心に女なければ、修行神の如し」というこの言葉を脳内で補完し、一連の深遠な含意を導き出し、そして思索に沈んだ。
李玄がもし許炎がこれほど想像力豊かだと知っていたら、これは頭の回転が遅いどころか、想像力が豊かすぎると驚嘆したことだろう!
「私の雑念...それは修行だ。心の中はいつも修行のことばかりだが、これは雑念と言えるのか?」
「わかった!」
許炎は突然、脳裏に閃きが走り、また一つ悟った。
「修行とは一つの探求であり、一つの信念であり、一つの意志だ。しかし私は執着にとどまり、それが雑念となってしまっていた!」
「私は修行そのものへの執着を捨て、今この瞬間に専念し、外物を忘れ、余計な感覚を忘れ...物我両忘となり、全身全霊を功訣に投じて細かく体得すべきなのだ...」
この瞬間の許炎は、まるで脳裏で天窓が開いたかのように、霊光が閃き、無限の悟りが湧き出てきた。
二句の功訣の真意は、この瞬間、まるで薄い紗がかかっているかのようで、軽く突けば紗を破り、紗の向こうの真意が見えそうだった!
「明心觀我真意を養う、明心とは自己を見ること、心神を明らかにすること、觀我とは気血を体得し、気血を観察し、自身の変化を細かく観察すること、真意を養うとは...気血を骨格に蓄え、骨髄に蓄え、気血を変化させ、骨髄を昇華させること...」
「私は悟った!」
許炎の両目は光り輝き、興奮の色を隠せなかった。