第23章 障壁を突破し、遂に玉骨へ

火たてがみの狼は強く、通常の野獣の範疇を完全に超えていた。

許炎はプレッシャーを感じ、この時、気血が沸騰し、全身が昇華状態にあるように感じた。

全身の気血が巡り、力が絶えず増大していく。

轟!

再び突進し、火たてがみの狼と死闘を繰り広げた。

戦いが続くにつれ、気血はますます沸騰し、ある瞬間、火たてがみの狼と組み合って地面を転がり始めた。

体は火たてがみの狼の両足に何度も蹴られ、両手で狼の噛みつこうとする大きな口を押さえながら、同様に足で狼の体を蹴り返した。

人と獣は地面を転がりながら、互いに蹴り合った。

ドン!

突然、許炎は大木に激突した。彼は怒りの叫びを上げ、火たてがみの狼の二本の牙をつかみ、力いっぱい狼を持ち上げて木に叩きつけた。

戦いは白熱化し、まさにその時、許炎は気血が絶えず激発され、消耗し、自身を絞り出すにつれ、玉骨級の障壁が緩み始めるのを感じた。

ある瞬間、カチッという音とともに、障壁が砕けた。

気血が瞬時に爆増し、骨は更なる錬成を続けた。

「お前だけが噛めると思うのか?」

許炎は火たてがみの狼の牙を掴み、地面に叩きつけ、その四肢が自分の体を叩くのを無視しながら、血走った目で狼の露出した首筋に噛みついた。

プッ!

口の中は毛だらけだった。

許炎は口の中の毛を吐き出し、再び噛みついた。

火たてがみの狼は今や慌て始め、激しく暴れ、四肢で必死に許炎を叩き続けた。ドンドンという音が絶え間なく響き、許炎は全身の骨が叩かれる度に震えているのを感じた。

彼は火たてがみの狼を必死に押さえつけ、姿勢を変えて両足で狼の前肢を強く押さえ込み、再び狼の喉元に噛みついた。

一口また一口と、ある瞬間、プッという音とともに、火たてがみの狼の喉の皮を引き裂き、鮮血が溢れ出した。

口に入った血が腹に流れ込むと、瞬時に許炎は気血が沸騰し、まるで大いなる滋養のように、全身が爽快感に包まれた。

骨を錬成する速度が、この瞬間に加速した。

許炎の瞳が輝き、全身で火たてがみの狼に覆いかぶさり、地面に押さえつけながら、絶えず狼の喉に噛みついた。

この時、火たてがみの狼は四肢を天に向け、体を絶えずよじらせ、もがきながら恐怖の咆哮を上げたが、もはや無駄だった。

骨錬級の開始とともに、許炎の気血は更に増強され、力はより大きくなった。

何度噛みついたか分からないが、ある瞬間、火たてがみの狼の喉がプッという音を立て、鮮血が噴き出し、大動脈を噛み破った。

許炎は貪欲に火たてがみの狼の血を飲み続け、まるで甘露のように、目に興奮の色を浮かべた。

血液が口に入るや否や、すぐさま気血へと変化し、骨を錬成する速度は絶えず加速していった。

全身の骨はますます玉のように輝き、玉骨無暇へと一歩近づいた。

火たてがみの狼は死の間際に爆発的な力を見せ、一瞬で許炎の制御から逃れ出そうとした。

許炎は手に入れた獲物を逃がすわけにはいかず、猛然と飛びかかり、拳で殴り蹴り、引き裂き噛みつき、火たてがみの狼は最終的に地面に倒れ、息も絶え絶えで、全身傷だらけとなった。

「無駄にはできない、これは練骨の寶物だ!」

許炎は飛びかかり、貪欲に火たてがみの狼の血液を吸い続け、全身の気血は沸騰し、骨錬成の速度は大幅に上昇した。

血はほぼ吸い尽くされ、そして許炎はこの時、蛻變の段階にあった。

彼は慌てて立ち上がり、修行を始めた。

気血は龍のように骨を巡り、骨髄さえも玉のように輝き始め、骨は何らかの蛻變を遂げた。

まるで渾然一体となり、もはや隙間すらないかのようだった。

轟!

気血が爆発的に増大し、許炎は全身から層々と粘つく古い血が溢れ出し、全身が血の汚れに覆われるのを感じた。

玉のような輝きが体から放たれ、全身に異象が現れた。

玉骨級の完成!

許炎の全身の骨は玉のように輝き、一点の瑕疵もなく、潤沢で滑らかで、無暇の玉骨の上には、まるで天然の細かな文様が刻まれているかのように、玄奧な様相を呈していた。

気血は爆発的に増大し、さらに純粋になり、無暇の気血と呼ぶにふさわしいものとなった。

しかも刻々と新しい気血が生まれ、絶えず強化され、戦いでの消耗は既に回復していた。

今の許炎が再び火たてがみの狼と出会えば、このように激しく困難な戦いにはならず、おそらく三発の拳と二発の蹴りで狼を倒せただろう。

「自分が昇華したように感じる、まるで凡人の範疇から抜け出したかのようだ!」

許炎は両拳を握りしめ、興奮の表情を浮かべた。

玉骨級を完成させて初めて、その強さと玄奧さを深く実感した。

「私の武道の基礎は、古の天才を超越した。私は玉骨級を成し遂げた!」

玉骨無暇、万古不朽!

たとえ今死んでも、全身の骨は無数の歳月を経ても腐ることなく、むしろますます輝きを増し、天地間の寶物となりうるのだ。

これこそが玉骨級の強さであり、真に凡人の範疇を超越したのだ。

そして玉骨級を錬成した彼は、武道の道は平坦となり、同じ境地では無敵となった!

興奮が収まった後、許炎は自分が引き裂いて形を失った火たてがみの狼の死体を見て、突然心を痛める表情を浮かべた。

「火たてがみの狼の毛皮が、私によって引き裂かれ、破壊されてしまった。師匠に贈ることができなくなった。」

「師匠はきっと早くから、私が玉骨級への突破のきっかけがどこにあるかを知っていたのだ。それは火たてがみの狼の上にあった。師匠は早くから私の武道の道を敷いていてくれたのだ!」

考えれば考えるほど、許炎は感動を抑えられなかった。

自分の全身の血の汚れを見て、許炎は小さな村には戻らないことに決めた。家に一度戻り、ついでに師匠のために上質な玉如意を探そうと思った。

許炎は片手で火たてがみの狼の破れた死体を持ち上げ、あの馬を見つけ、死体を馬の背に載せた。

結果として、その馬は火たてがみの狼の気配に怯え、四肢が震えて動けなくなった。彼が気血を発動して狼の気配を遮断した後、その馬はようやく彼の威圧の下で動き出すことができた。

「火たてがみの狼の肉は大いに滋養があり、ちょうど臟腑錬成に使える。今や私は玉骨級を完成させ、臟腑錬成もまもなく完了する。

「三ヶ月以内に臟腑錬成を完了させよう!」

許炎は闘志に満ちていた。武道入門はもう遠くない!

自分はついに真の武道修練者となる。数々の嘲笑と軽蔑は、すべて一掃されるだろう。

彼はあの人々に知らしめたい。井の中の蛙が、どうして天地の広大さを知ろうか!

そして自分は、すでにその広大な天地に足を踏み入れた。彼らはまだ井戸の底で独りよがりなのだ!

……

李玄は丘の上に立ち、許炎が来た道を眺めながら、ため息をついた。この愚かな弟子は一度出かけると、五日も戻ってこない。

悪煞の森を無事に通り抜けられたのか、凶獣に食われてしまったのか、分からない。

彼は偽の功法で許炎を騙したが、これほど長い時間を共に過ごせば、全く感情が芽生えないはずがない。

許炎というこの弟子に対して、李玄はとても満足していた。

しかし残念ながら、彼は隠れた高人ではなかった。

これは一つの欺瞞であり、良い結果にはならないことが運命づけられていた。たとえ許炎がずっと気付かなくても、李玄は永遠に欺き続けることはできなかった。

この世界に、暴かれない騙しはない。

彼の唯一の希望は、一年の期限が過ぎた後、波乱なく、円満に別れることだった。

おそらく許炎に、かつて機会があったが、天賦が足りずに掴めなかったという後悔を残すことになるだろう。

そして彼、李玄は、依然として許炎の心の中で敬愛する師匠であり続けるだろう。

そうすれば、これこそがこの師弟の情の、最良の結末となるだろう。