「まずい!」
血無心は顔色を変え、身を躍らせてこの一撃を避けた。
轟!
また一匹の巨龍が轟音と共に襲いかかってきた。
続いて、次々と巨龍が襲来し、それぞれが凛々しい威圧感を放っていた。血無心は胸が締め付けられる思いで、驚愕の表情で許炎を見つめた。
「まさか、突破したのか?」
なんという怪物だ!
許炎は胸の悪気を吐き出し、両目に鋭い光を宿した。悟ったのだ!
降龍掌が限界を突破し、新たな段階へと踏み込んだ。
「その怒りは天地を驚かす。今の私では、龍形掌力を本当の意味で怒らせることはできない。真の'怒り'の気勢を持たせることはできないが、別の方法でこの怒りを表現することはできる!」
許炎は降龍掌力の連撃に晒される血無心を見つめた。ずっと押され気味だったが、今度は自分の番だ。
どこからか現れたこの武者、恐らく先天境の者に、降龍掌の強さを見せつけてやろう。
「今の私の降龍掌は、第二重だろうか?降龍掌の境地を突破し、第二重に踏み込んだ!
「残念ながら、私はまだ気血境で、第二重の本来の威力を発揮することはできない。
「だが、この相手を倒すには十分だ!」
許炎は心中で悟った。自分は降龍掌を第二重まで修行したのだと。
轟轟!
十八匹の巨龍が血無心に向かって襲いかかった。血無心が凛烈な刀気を放ち、掌力を打ち消そうとした瞬間、彼の心臓が突然跳ねた。
危険!
強烈な危機感が一瞬にして湧き上がった。
生死の危機の中で磨き上げられた戦闘経験により、彼は即座に気を操る飛行術を使って空中へ飛び上がり、刀光を巻き起こして連撃から脱出しようとした。
しかし、もう遅かった!
轟音が一つ響き渡った!
十八の降龍掌力が襲いかかった瞬間、突如として全てが爆発し、巨龍が炸裂、狂暴な威力が一瞬にして血無心に襲いかかった!
血無心は顔色を変え、低く叫び声を上げ、陰気が体の周りを渦巻き、長刀が幾重もの刀気を巻き起こして、この猛烈な狂暴な威力を防いだ。
彼は十八匹の巨龍が瞬時に炸裂し、このような狂暴無比の力を凝縮できるとは思いもよらなかった。
「おかしい!
「これは普通の武者ではない。こんな功法があるはずがない?」
內域でさえ、宗師でも放った掌力を、必要な時に突然爆発させることなどできない。
一度放った掌力を、どうやって自在に操れるというのか?