第32章 救済の光(追読希望)

夢の世界。

廢城の内部。

ドン!

三つの頭を持つ人型の魔物が地面に倒れ、その肉体が水のように溶け出し、絶え間なく一つの方向へ流れていく。

暗い隅で、黒いコートを着た琳が手を上げ、抽出を始めた。

最後に、大量の血が一滴の「赤の精華」となり、彼女の手の中に落ちた。

これを終えると、琳は即座に闇の中へ姿を消した。

その時、数体の変異人がようやく到着した……

「『赤』の道は危険だ……いや……全ての霊性の目覚めの道が危険なのだ……」

廊下の隙間で、暗赤色の液体が絶えず移動していた。

琳の思考は少し散漫になり、黒日教団のこと、そして加入してから次第に見知らぬ存在となっていくエイクのことを考えていた。

「黒日教団もそうだ、エイク……彼はあの存在に蝕まれたのか?」

この期間で、少女は確実に成長し、神秘学の知識も増え続けていた。

全ての霊性の道には、必ず源があるのだ!

凡人がその源を辿れば、自然とその源からの影響と汚染を受けることになる!

これは源の意図的な行為ではなく、自然と起こる変化と転化であり、肉体と精神の深部にまで及ぶのだ!

「虚妄の霊だけが……この汚染を浄化できる……あの方は……どんな道の神域なのだろうか?」

琳は赤い液体となって扉の隙間から染み出し、密閉された部屋へと入った。

この部屋は元々倉庫だったようだが、今は整理され、蝋燭、儀式、黒曜石……で永続的な祭壇が設置されていた。

ザザッ!

赤い液体が揺らめき、少女の姿となった。

彼女は以前より少し背が伸びているように見え、今は敬虔に蝋燭を灯し、祈りを始めた:

「未知を彷徨う虚妄の霊よ……」

「絶対中立の存在よ……」

「沈黙の観測者よ……」

「あなたの信者はあなたに祈り、国の扉を開き、光輝を降臨させることを願います……私の身心を浄化し、私の捧げる供物をお受け取りください!」

……

儀式を行いながら、琳は今日の収穫である「赤の精華」を祭壇の上に置いた。

このような祈りと儀式は、既に何度も行っているが、毎回あの方からの応答があるわけではなかった。

しかし今回は、状況が異なっていた。

ゴオッ!

蝋燭が激しく燃え上がり、無数の幻影が現れた。