「HPゲージが出た!」
「乌勒尔だ!本当に物語のボスだ!」
システムの表示を見て、プレイヤーたちは目を輝かせた。
そして、クエストの報酬と、システム欄の【プレイヤーステータス:無限復活中】という表示を見た時、全ての不安は吹き飛んだ。
彼らは気を引き締め、巨人への視線が変わった。
もはや恐ろしいボスではなく、手の届く愛らしい経験値と輝く貢獻度だった!
このストーリーボスのクエスト報酬は、以前のゴブリンワールドボスに劣らないものだった!
それだけでなく、今回はレベルダウンの心配もない!
プレイヤーたちは一斉に心を躍らせた。
一斉に見つめてくるエルフたちを見て、なぜか乌勒尔の化身は不安を感じた。
再び怒りの咆哮を上げ、また一撃で二人の気を散らしていたプレイヤーを肉餅にした。
しかし今回は、誰も逃げ出さなかった。
デマーシアはシステム画面を興奮気味に確認し、叫んだ:
「何をぼーっとしてるんだ!行くぞ!やっちまえ!」
そう言うと、興奮して巨人に向かって突っ込んでいった。
乌勒尔の化身は冷たい目で彼を一瞥し、一歩を踏み出した。
「ぐちゃっ……」
彼はペースト状に踏み潰され、装備も無事では済まなかった……
李牧:……
弁当さん:……
咸ちゃん:……
この光景を見て、プレイヤーたちは冷静さを取り戻した。
彼らは互いに顔を見合わせ、頷き合うと、一斉に神殿の外へと走り出した。
「逃げるつもりか?」
化身は嘲笑いながら、重たい体を動かして追いかけた。
しかし、神殿の外に出た時、化身は呆然とした。
エルフたちは逃げ続けることはなく、むしろ武器を持って戻ってきていた。
ただし以前とは違い、今の彼らは木刀と木の杖以外の装備を全て外していた。特に近接戦闘のエルフたちはそうだった。
さらに遠くでは、まだエルフたちが装備を脱ぎ、それを低レベルの観戦プレイヤーに預けている様子が見えた……
フィレンツェは聖光に包まれた。
ただし、以前の聖光とは異なり、今回の聖光は暗く深い、かすかに死の気配を帯びていた。
それはイヴが海拉の神力で作り出したもので、彼女は特に死の気配を強調し、自身の本来の自然の気配を隠していた……