第44章 女神とエルフの栄光のために!

ほぼ一瞬で狂気に陥ったエルフたちを見て、乌勒尔は胸が詰まる思いがした……

この虫けらどもは何なのだ?私の帰還を阻止しようというのか?この程度で?

その心の底から、侵害された怒りが湧き上がった。

しかし、すぐに落ち着きを取り戻した……

プレイヤーの攻撃によって次第に不安定になっていく自然神力を感じながら、乌勒尔の化身の瞳孔が僅かに縮んだ。

いや、奴らは化身のエネルギーを乱そうとしているのだ!

一瞬で、より多くのことを連想した。

神血の結晶……ヘラのやつ、きっと化身内の神血の結晶を狙っているに違いない!

そうだ、ヘラの死神職は完全ではなく、既に中級神力の頂点で数千万年を過ごしている。伝説によると、強大神力に昇進するために一度重傷を負ったが、今でも完全には回復していないという。

ヘラも自分と同じように世界樹の神血結晶の解放を感知し、神職を完全なものにするため、世界樹に目をつけたに違いない!

死と生は対立する法則だが、同様に共通点もある。

極まれば反す、生命を明らかにすれば、死をも通暁する!

二千年来、最も進歩の速い神として、乌勒尔は自らの知恵を誇りに思っていた。

この瞬間、真相を突き止めたと確信した!

その巨大な神力の化身が突然頭を上げ、西の方向に向かって咆哮した:

「ヘラよ!私は汝と敵対する意はない。汝の力を以てすれば、他の自然の血を探し続けることも可能だ!私の事に干渉するな!」

その声は轟々と響き、深い警戒と辛うじて抑えられた怒りを帯びて、遠くまで伝わっていった……

「ヘラ?」

プレイヤーの視点から盗み見ていたイヴは少し驚いた。

乌勒尔は何を言っているのだ?まさか死神ヘラが来たというのか?

一時、警戒を強め、魂貯めの宝珠を隠すべきか考えた……

しかし、しばらく経っても死神の気配は感じられなかった。

イヴは困惑したが、すぐに何かを思い出し、心中妙な感覚が広がった:

「まさか調和の聖光の死の神力の気配で、乌勒尔がプレイヤーたちを死神ヘラの手下だと思い込んでいるのか?」

イヴはどんな表情をすればいいのか分からなかった。

正直なところ、魂貯めの宝珠を手に入れた時、将来の化身にヘラの使徒という仮面を被せることを考えていた。