選ばれし者たちは仲間になれるし、優れた戦士にもなれるが……それは全ての選ばれし者が尊敬に値するということではない。
少なくとも、ある赤い爆発頭の奴は尊敬に値しない。
この瞬間、アリスとバーサーカーは同時にそう思った……
気分が上下するデマーシアはさておき、全員が揃った後、転送魔法陣の構築儀式が正式に始まった。
臨時の転送魔法陣はフクロウさんによって既に解体されていた。
彼女はメインストーリーに参加した後、現実で少しテコンドーを習っていたものの、近接戦闘には向いていないと考えた。
そのため、転職の際にフクロウさんは領域を超えて、レベル11のエルフの魔法使いとなり、今後は魔具製造と魔法陣構築の道を歩むことにした。
今回の魔法陣の構築は、彼女が主導することになった。
魔法陣の場所は、荒廃した神殿の前に決められた。
ここは、かつてフィレンツェの聖なる広場であり、プレイヤーたちが乌勒尔の化身を倒した場所でもある。
貢献度を得るため、参加した全てのプレイヤーは既にパーティーを組んでおり、イヴもそれについては気にしないことにした。
聖女アリスが自然の法典を掲げ、世界樹の方向に向かって静かに祈りを捧げた後、構築儀式が正式に始まった。
フクロウさんは魔法陣の設置材料を取り出し、深く息を吸い、図面と照らし合わせながら再構築を始めた。
数百の目が期待を込めて彼女の動きを見守っていた。
フクロウさんは一糸乱れぬ様子で、動きは緩急自在、その真摯さと丁寧さは、傍らで指導する自然の聖女アリスも密かに頷くほどだった。
「この女性の選ばれし者は魔法陣に才能がある!」
彼女は思わず、魔法陣描画のスキルを伝授しようかという考えさえ浮かんだ。
フクロウさんの構築作業に伴い、円形の転送魔法陣も徐々に形を成していった。
最後に……まばゆい光とともに、魔力の波動が魔法陣から伝わってきた。
魔法陣の構築は成功した。
【ディン——】
【メインクエスト目標1:フィレンツェに安定した転送魔法陣を構築する(達成)】
【魔法陣構築に参加した全プレイヤーへの報酬:500貢献度】
【ディン——】
【メインクエスト:古の聖都が完了しました!】