早朝。
金色の太陽が東方からゆっくりと昇り、光芒万丈となって、森全体を輝かせていた。
自然の聖女アリスは朝の祈りを終え、祭事の際に着用する聖女のドレスに着替えて、神殿の外に出た。
樫の守護者バーサーカーはすでにここで待機していた。今日の彼は機嫌が良さそうで、大きな目は生き生きと輝き、傍らで奇妙な歌を口ずさんでいた……それは選ばれし者たちから学んだものだった。
アリスは樫の守護者を見て、エメラルドの瞳に笑みを浮かべた:
「おはようございます、バーサーカー様」
彼女は祭司のローブの裾を摘まみ、バーサーカーに軽く会釈をし、その後胸の前に自然の母の印を描いた:
「ネイチャーがあなたと共にありますように」
バーサーカーも少女に向かって一礼し、低い声に柔らかさを帯びて答えた:
「おはようございます、聖女様。ネイチャーがあなたと共にありますように!」
二人が挨拶を交わした後、アリスは広場に集まってくるプレイヤーたちの数が増えていくのを不思議そうに見つめ、興味深げに尋ねた:
「今日は皆さん、どうしたのでしょうか?」
普段なら、この時間帯には選ばれし者たちが彼女のところにデイリークエストを申請しに来るはずだった。しかし今日は、なぜか少女を訪ねてくる人が少なかった。
彼らは広場に集まり、何かを待っているようで、一人一人が興奮した表情を浮かべていた。
バーサーカーは広場のプレイヤーたちを一瞥し、目に安堵の色を浮かべながら、再び胸の前に木の形の印を描き、アリスに告げた:
「聖女様、フィレンツェが……奪還されました。すべてのゴブリンが追放されたのです」
「なんですって?聖都が……解放されたのですか?」
バーサーカーの言葉を聞いて、アリスのエメラルドの瞳は大きく見開かれた。
彼女は選ばれし者たちの任務について知っていたが、聖都からゴブリンを追い払うのは長期の作業になるだろうと考えていた。こんなに短期間で選ばれし者たちが成し遂げるとは思っていなかった。
彼女は幼い頃、母神様と共にエルフの廃墟からゴブリンを追い払った時のことを、かすかに覚えていた。あのゴブリンたちは非常に狡猾で、追い払った直後でも、油断すると直ぐに戻ってきてしまうのだった……