第78章 神の加護
眩しい光がエルの体から放たれ、彼を担いでいたオークは突然悲鳴を上げ、その体が急速に老化し、瞬く間に灰となって消え去った……
同時に、かすかな聖歌が響く中、無数の輝くフォトンが地面から浮かび上がった。
それらはゆっくりと上昇し、まるで舞い踊るエレメンタルのように、密集して、数えきれないほど、果てしなく広がっていた……
一瞬にして、森は緑の海に包まれたかのようだった。
緑色のフォトンは現場のプレイヤーたちを取り囲み、絶え間なく回転しながら、競うように彼らの体内に吸収されていった。
プレイヤーたちが驚きの目で見守る中、彼らの傷が急速に回復し、切断された手足さえも徐々に再生していった。
重傷を負った樫の守護者バーサーカーも、フォトンに包まれながら徐々に生気を取り戻し、力強い枝から新芽が出始め、すぐに完全に消滅していた半身が再生された！
地面の植物は、フォトンの出現とともに急速に成長し、芽を出し、葉を広げ、そして次々と花を咲かせていった……
瞬く間に、地面には七色の花々で敷き詰められた大道が現れ、あらゆる場所が緑と花海に覆われた……
そしてフォトンで形作られた無数の蝶が、エルの周りを旋回し始め、彼の戸惑う目の前で、彼の体内に流れ込んでいった。
エルの気配は急速に増大し、瞬く間に黒鐵の段階を超え、白銀へと突破した……
すべては神跡のようだった。
デマーシアは目を見開き、全身が光を放つエルフの少年を信じられない様子で見つめ、目をこすりながら：
「マジかよ！あのショタはストーリー展開のNPCだったのか？」
そして、完全に健康な状態に回復した自分のステータス画面を見ながら、思わず太ももをつねってみた。
痛くない……
しかしすぐに気づき、痛覚を上げて再度つねりながら、息を呑むように興奮して言った：
「夢じゃない！これはストーリームービーだ！」
この突然の変化に、オークたちは呆然としていた。
かつてない危機感が黑石の心を襲い、反射的に叫び声を上げ、全員に逃げるよう命じようとしたが、しかし彼は恐ろしいことに、自分の体が制御できなくなっていることに気づいた……
そしてこの時、オークたちは無数のフォトンが彼らの体に付着し、彼らの行動を制御していることに気づいた。
続いて、神聖で壮大な気配が突然現場に降り立ち、全員の驚愕の目の前で、舞い散るフォトンが地面で絶え間なく旋回し、最終的に人の形を作り上げた……
それは聖光に包まれた存在で、神聖で高貴な長衣を身にまとい、神の冠を戴き、銀色の長い髪が腰まで届き、美しく神秘的な紫の瞳は輝く光を放っていた。
侵すことのできない威厳が全員の心を襲った。
プレイヤーたちはただ一目見ただけで、思わず頭を下げ、心の中から自然と崇拝の念が湧き上がってきた……
たった一目だったが、その比類なき姿は、まるで彼らの脳裏に刻み込まれたかのように、もはや消し去ることはできなかった。
バーサーカーはその聖光の中の高貴な姿を見つめ、その表情は一瞬にして無比の熱狂に変わった。
彼は地面を支えながら立ち上がり、そして恭しく跪き、深い声で厳かに言った：
「讃えよ……我が主を！」
アリスも同様に熱狂の状態に陥り、同じように跪き、清らかな声で敬虔に言った：
「讃えよ……我が主を！」
一方、十数名のオークたちは、恐怖の表情を浮かべていた。
彼らの目には、まばゆい聖光しか見えず、何も見分けることができなかった。
そして一瞬のうちに、彼らは目と魂に同時に痛みを感じた。
悲鳴とともに、彼らの両目から血の涙が流れ出した……
真なる神を直視することはできない！
あるいは、真なる神の許可なく、誰も真なる神を直視することはできないのだ！
一瞬にして、全員が理解した。
自然の母、生命の女神、エルフの主——イヴ・ユグドラシルが、直接降臨したのだ！
女神はまず自分の二人の使徒に目を向け、口元に微笑みを浮かべ、その後エルへとゆっくりと歩み寄った。
彼女が一歩進むごとに、地面には花々が咲き誇り、まるで生命の奇跡を讃えているかのようだった。
そして生い茂る植物は、彼女の動きに合わせてわずかに身を屈め、まるで至高の存在に敬意を表しているかのようだった。
エルは徐々に自分に近づいてくる神聖な姿を呆然と見つめ、頭の中が真っ白になった。
女神は彼の前に立ち、手を伸ばし、優しく彼の額に触れた：
「汝の誓いを忘れるな。」
彼女の声は神聖で威厳があり、同時に心地よく親しみやすかった。
彼女の優しい触れ合いとともに、エルの額は聖なる光を放ち、自然の母を象徴する木の形の印が現れ、そして徐々に消えていった……
そしてエルの気配も再び変化し、力は増大しなかったものの、何か明らかに異なるものとなっていた……
彼の身にも、神聖な雰囲気が漂うようになった。
それはまるで生命の次元が昇華したかのようだった。
そして女神の動きに合わせて、無数のフォトンが二人の周りを旋回し始め、かすかな神聖な讃美歌が聞こえてきた……
「神の加護だ！神の加護が与えられた！」
現場の様子を見て、バーサーカーは熱狂的な表情を浮かべた。
バーサーカーの言葉を聞いて、プレイヤーたちも衝撃から我に返った。
彼らは顔を上げ、まるで騎士叙任式のような光景と、その輝く神聖なエフェクトを目にして、一同呆然となった……
これはキャラクター作成時と最初のストーリークエスト発生時に続く、プレイヤーたちが三度目に目にする女神の姿だった。
しかし前の二回とは異なり、今回の女神の化身はより現実味があり、より威厳と神聖さを帯びており、降臨時の華麗なエフェクトも以前より一層衝撃的だった……
プレイヤーたちの今の心情を表現する言葉はなく、あるとすれば二文字だけ——「マジか」！
「エルよ。」
この時、女神が再び口を開いた。
彼女は現場に残されたオークたちに目を向け、威厳のある声で言った：
「彼らは、お前のものだ。」
女神の言葉を聞いて、エルは呆然と振り返り、絶えず暴れ、目を押さえて悲鳴を上げ続けるオークたちを見つめた……
一瞬、彼の表情は複雑になった。
祖父は彼に、生命を敬い、人に寛容であれと教えた……
祖父は彼に、どんな生き物も間違いを犯すことがあるが、過ちを認めて改める者は許されるべきだと教えた……
しかしこの時、エルは躊躇った。
一瞬のうちに、彼の脳裏に族人が虐殺される光景が再び浮かんだ……
オークの不気味な笑い、族人の悲鳴、家族が崩壊する絶望。
なぜ強大な力を持っているのに、エルフ族は敵に勝てないのか？
なぜ誇り高き白銀種族が、黒鉄種族に追い詰められる獲物となってしまったのか？
エルの表情は何度も変化し、最後に徐々に固まっていった：
「敵への慈悲は、自分への残虐だ！」
深く息を吸い込み、彼は地面に落ちていた曲刀を拾い上げた。