第36章 腹立たしいナンバープレート

「しかし、こちらの狙撃手は準備万端で、犯人を射殺できる確率は90パーセントです!」

宋凌珊は食い下がった。

「90パーセントだと言ったな。残りの10パーセントは?もし楚さんが怪我でもしたらどうする?その時は君も私も責任を取らされることになるぞ!」

局長は叱責した。「軽はずみな行動は取るなと言っただろう。まずは犯人の要求を満たし、それから対策を考えろ!」

「分かりました」

宋凌珊は非常に憂鬱だった。本来なら部下に危険を冒させて、狙撃手に犯人を射殺させようと考えていたのだ。

しかしこうなっては、軽々しく危険な命令は出せなくなった。局長も支持してくれないのだから、自分に何ができるというのか?

警察側の無反応に、ハゲさんは得意げな様子で、素早く仲間を連れて路肩の黒い現代のワゴン車に乗り込み、エンジンをかけて走り去った。