「くそっ!てめえ、生意気だな!」
黒豹兄は林逸がこんな口調で話しかけてくるのを見て、すぐに怒り出し、手を伸ばして林逸の襟首を掴もうとした。
林逸は素早く左手を伸ばし、黒豹兄の右手を掴んだ。そして右手を伸ばして黒豹兄の頬を掴み、指ではじいて、彼の口に咥えていたタバコの半分を口の中に押し込んだ。
「うわぁっ!」
黒豹兄は叫び声を上げた。タバコの火が喉に落ち、喉に大きな火傷を負った。
林逸は左手で引っ張りながら押し、すでに冷静さを失った黒豹兄を横に押しやった。
黒豹兄は大きく口を開け、手で必死に扇ぎながら、ハアハアと息を切らし、まるで暑さを凌ごうと舌を出した子犬のようだった。
鄒若明は保健室で半日横になり、マッサージや指圧を受けてようやく目を覚ました。
鼻にバンドエイドを貼り、部下に支えられながら出てきたが、まだ頭がガンガンしていた。
「くそっ、あいつはどのクラスだ?」
鄒若明は恨めしそうに言った。「見つけ出せ。母親も見分けがつかないくらいボコボコにしてやる」
「分かりません...」
鄒若明の部下たちも林逸がどのクラスなのか分からなかった。制服を着た普通の学生は多すぎて、誰も特に気にも留めていなかった。
「くそっ、うちの学校の生徒なのは間違いない。探せ、放課後にクラスを回って探し出せ。見つけたら徹底的にぶん殴れ!」
鄒若明は激しい口調で命令した。
「分かりました、明さん!」
数人の部下は急いで返事をした。以前は林逸の腕前に驚かされたが、今は大勢いるのだから、一人くらい怖くはない。
数人が保健室を出たとき、学校では中休みの時間だった。鄒若明の部下の一人が目ざとく、入り口から入ってくる鍾品亮と黒豹兄たちを見つけた。
すぐに彼らを指差して言った。「明さん、見てください。あそこにいるのは鍾品亮たちじゃないですか?後ろについてるのは、うちの学校の生徒じゃないみたいです!」
「ほう?」
鄒若明は顔を上げ、部下が指す方向を見た。確かに鍾品亮、高小福、張乃炮の三人が威張った様子で学校に入ってきており、その後ろには三人の屈強なお兄さんたちがついていた。
この三人の中で、先頭を歩く上半身裸で刺青の入ったお兄さんを鄒若明は知っていた!