第38章 絶対に撃たないで

林逸は再び銃をハゲの頭に押し付けながら言った。「彼らに言え、動くなと。さもないと人質を殺すぞ!」

「お、お前ら...動くな...」

ハゲは本当に泣きたい気分だった。これは先ほど銀行で自分たちが警察に言った言葉ではないか?

こんなに早く報いが自分に回ってくるとは。これぞ現世報というものか。まさに今のような状況だ!

「ふむ、いいぞ」

林逸は満足げに頷いて、尋ねた。「では話してもらおうか?花火兄さんとは誰だ?」

「私の上司です...他のことは分かりません。彼に命令されただけです。お兄さん、撃たないでください...」

ハゲも命が惜しい人間だった。先ほどまで威張り散らしていたが、自分の命が危険に晒されると、ハゲも怖気づいた。

元々この仕事を引き受けたのは金のため、贅沢な暮らしをするためだった。しかし命を賭けてまでする価値はない。