第0176章 もう捕まえた

第0176章 あっさり捕まえた【月票を求む】

「おい、何をするつもりだ?」宋凌珊は林逸が崖の端に近づき、まだ足を止める様子がないのを見て、急に心配になった。「見つからないなら見つからないでいいから、絶対に変なことを考えないで!」

宋凌珊がそう思うのも無理はなかった。崖の向こう側には道がなく、林逸がこのまま歩き続ければ、次の一歩で落ちてしまう。これは自殺と何が違うのだろうか?

先ほど自分が怒って膨れっ面をしていたのを見て、林逸はもしかして人が見つからないことを恐れ、自分に責任を追及されるのを避けるために、このまま命を絶とうとしているのではないか?

宋凌珊は林逸がそんな人間ではないと思っていた。天も恐れず地も恐れないような彼が、どうして自分を恐れるだろうか?しかし目の前の状況を見ると、彼女は警戒せざるを得なかった。

林逸は返事をせず、崖の端まで歩いていった。もう一歩踏み出せば落ちてしまうというところで、林逸は突然足を止め、そこに立ち尽くした。

「はぁ...」宋凌珊はほっと息をつき、急いで林逸の側に駆け寄った。「何をしているの?人を驚かせて」

林逸は答えず、目を閉じて静かにそこに立っていた。

「ねえ...」宋凌珊は眉を上げた。「怒ってるの?大の男が、そんなに小さい器じゃないでしょ?」

「下にいる」林逸は目を開け、足で崖の端の地面を指し示した。宋凌珊は目が回りそうになった。気をつけて!落ちて死んだりしないでよ!

「何が下にいるの?」宋凌珊は戸惑い、林逸が何を言っているのか理解できなかった。

「盜賊だ、ここの下にいる」林逸は言った。

「え...」宋凌珊は顔を曇らせた。「あなたの言ってることは、盜賊が崖の下にいるってこと?彼らはもう落ちて死んだってこと?」

「死んでない」林逸は首を振った。死人に対しては、玉の護符は何の反応も示さない。

「死んでない?」宋凌珊は少し驚いた。彼女は最初、林逸が人を見つけられず、適当な言い訳をして自分をごまかし、盜賊たちはすでに崖から飛び降りて死んだと言うつもりだと思っていた。しかし林逸は彼らが死んでいないと言ったのだ!

「私の足元だ、崖の下じゃない」林逸は再び足で地面を踏みしめながら説明した。「この二つには違いがある。この絶壁の下には、洞窟があるはずだ」