第2章 血煞洞窟

齊明は早朝にベッドから起き上がり、住まいを離れ、人気のない場所を見つけて、こっそりと「解毒丹」を取り出した。黒い丹丸で、よく観察すると、表面には幾筋もの丹紋が刻まれており、薬の香りがした。

道具:解毒丹

紹介:髑髏山の山賊ゲームダンジョンから入手、練気期の大半の毒蠱を解毒できる。

そして。

解毒丹の横にポップアップウィンドウが表示された。

「解毒丹」の基本情報が簡単に紹介された。

「白骨道人は魔宗の出身だ。手段は必ず悪辣だろう。昨夜は、私の資質が低すぎて血鬼丹を無駄にしたというだけで、一言二言で私を點天燈にして血屍に練成しようとした。」

齊明は心の中で考えた。「血鬼丹は寿命を消耗するだけではなく、きっと制御の手段も仕込まれているはずだ。」

「そうでなければ。」

「雑役弟子たちが血鬼丹を服用して修為が上がり、外門に入った後で、約束を反故にしたら、白骨道人の努力は水の泡になってしまう。」

「解毒丹は『髑髏山の山賊』ゲームダンジョンからドロップしたもので、今後も必ずドロップするはずだ。私から見れば、価値は普通だ。とりあえず服用してみよう。」

ゴクリ!

齊明は「解毒丹」を服用した。丹薬は口に入るとすぐに溶け、喉を通って胃に入った。少し苦い味がして、薬力が素早く全身に広がっていった。

次の瞬間。

齊明の胃が激しく波打ち、吐き気が込み上げてきた。もう抑えきれず、粘液に包まれた黒い物体を吐き出した。

「パタッ」と地面に落ちた。

「これは……」

齊明が下を見ると、親指大の黒い蠱蟲が目に入った。粘液の中で絶えず動いており、ムカデのように、数回跳ねた後、息絶えた。

「全身漆黒で、ムカデに似て、八本の足がある。」

齊明は背筋が凍る思いをした。前の持ち主の記憶から、この蠱蟲が何かを思い出した。「噬心蠱だ。白骨道人は本当にろくでもない奴だ。まさか『血鬼丹』の中に『噬心蠱』を仕込むとは。」

「はぁ……」

齊明はしばらくして冷静を取り戻した。「この世界は本当に危険だ。転生してきたばかりでこんなことに遭うなんて。幸い『放置ソフト』があって『解毒丹』を手に入れられた。そうでなければ、『噬心蠱』が『心臓』と融合してしまえば、神仙が来ても助けられなかっただろう。」

シャン!

齊明は骸骨法剣を取り出した。剣身は細長く、全体が青黒色で、柄には骸骨の頭の模様が彫られており、正道の者の武器には見えなかった。

しかし。

この骸骨法剣は鉄を切るように鋭く、練気期の符寶としてはまずまずの品だった。

その後の数日間。

齊明は丁字雑役院の住まいにずっと籠もっていた。毎日三食を雜役院の食堂で取る以外は、外出することはなかった。

三日後。

正午。

「ディン!」

「青雲練気訣を三日間放置修練し、天地を感じ、靈氣が体内に入り、修練の進度が大幅に上昇し、練気二層への突破に成功した。」

ゴォン!ゴォン!

齊明はすぐに自身の変化を感じた。青雲練気訣が体内で自動的に運転され、莫大な靈氣が体内に注ぎ込まれ、丹田の中で。

二つ目の「青雲」のような気旋が凝結した。

修為が突破し。

到達:練気二層初期。

「よし。」

齊明は喜色満面だった。

ご存知の通り。

青雲練気訣の修練内容によると、練気期の時には丹田内に九つの青雲気旋を凝結させることができ、これによって九層に分けられる。

練気一層が最低で、練気九層が最高。

その上は。

道基を築き、「築基境」に踏み入る必要がある。

青雲峰では。

「築基境」は全て內門弟子だ。

地位は高貴。

「ディン!」

「『髑髏山の山賊』ゲームダンジョンで三日間放置し、ダンジョンを三回クリアし、獲得:解毒丹一個、骸骨法衣一着、下品霊石三十個。」

骸骨法衣は防御型の練気期符寶だ。

「ディン!」

「宿主の修為が練気二層に突破したことを検知。練気一層のゲームダンジョン『髑髏山の山賊』の放置収益が低下する。新しいゲームダンジョンを開放可能。下品霊石二個をチケットとして使用することで、一回のゲームダンジョン放置が可能。」

「新しいゲームダンジョンを開放する。」

齊明は言った。

「ディン!」

「開放成功、練気二層ゲームダンジョンに進入:血煞洞窟。」

ゲーム画面が表示された。

まず。

齊明は直径三メートルほどの真っ黒な洞口を目にした。中から赤い光が漏れ出ており、中に入ると、濃厚な血の殺気が立ち込めていた。

血煞洞窟。

魔宗弟子が十の村を殺戮し、千人以上を殺害し、千人の死體さん、怨気、血気で「血煞池」を築き、法寶「血煞幡」を練成しようとした。

しかし。

最後の段階で。

魔宗弟子は練成に失敗し、反噬を受けて、身死道消し、魂は血煞に引き裂かれた。「血煞池」だけが残り、今日まで続き、現在の「血煞洞窟」となった。

血煞洞窟内には。

千人以上の村人が死後化した「血煞鬼」が潜んでいた。

この日。

一人の「絶世剣仙」が降臨した。彼は骸骨法剣を手に、骸骨法衣を身にまとい、使うのは「青雲剣術」で、剣光は青い雲のように、捉えどころがなく、しかし威力は絶大だった。

血煞洞窟内の「血煞鬼」たちは、この「絶世剣仙」の剣の下で次々と成仏していった。

「引き続き『青雲練気訣』を放置修練する。」

齊明は言った。

「ディン!」

「宿主が三十五個の下品霊石を所持していることを検知。霊石をチャージして放置速度を上昇可能。下品霊石十個ごとに一倍上昇。」

「チャージする、チャージする。」

齊明は直接言った。「下品霊石三十個をチャージする。」

「ディン!」

「チャージ成功。これからの一日の放置修練で、三倍の増幅を獲得します。」

あっという間に。

一日が過ぎた。

「ディン!」

「『血煞洞窟』ゲームダンジョンで一日放置し、ダンジョンを一回クリアし、獲得:血煞鬼符、血霊丹、下品霊石二十個。」

「ディン!」

「青雲練気訣を三倍増幅状態で一日放置修練し、修練進度が大幅に上昇し、練気二層中期に突破しました。」

ゴォン!

果たして。

齊明の体内の青雲気旋が再び変化し、靈氣が体内に集まり、素早く練化され、青雲気旋に融合し、青雲気旋を二倍に強化した。

「上昇速度が本当に速い。」

齊明は満面の笑みを浮かべた。「下品霊石二十個をチャージし、引き続き『青雲練気訣』を放置修練し、下品霊石二個を消費して『血煞洞窟』ゲームダンジョンに進入する。」

シュッ!

齊明は血煞鬼符を取り出した。

長方形の符咒。

全体が血黒色。

表面には鬼の絵のような模様が描かれていた。

道具:血煞鬼符

紹介:使用すると練気三層の血煞鬼を一体召喚し、使役することができる。

「これはいいものだ。」

齊明は心中喜んだ。

道具:血霊丹

紹介:服用すると傷と気血を回復できる。

明らかに。

血霊丹は回復薬だ。

「いい、いい。」

齊明はますます満足げになった。「今私が直面している二つの困難、一つ目は数日後に白骨道人と対面しなければならないこと、二つ目は『外門試験』だ。」

「白骨道人には二度と会うつもりはない。血鬼丹も二度と服用するつもりはない。どうせ体内の『噬心蠱』はもうないし、雜役院に隠れていれば、白骨道人も私をどうすることもできない。」

「だから。」

「一ヶ月後の外門試験の準備に専念すればいい。」

「もし白骨道人が私に面倒をかけてきたら、毎日放置修練してゲームダンジョンをクリアしていけば、修為はすぐに白骨道人を超えられるはずだ。」

「その時は。」

「白骨道人を始末する方法はいくらでもある。」