第64章 天啟盛会は終幕へ

馮子牧がこれほど驚いたのには理由があった。宗主が就任してから八百五十九年間、一人の弟子も取らなかったのに、今突然蘇軽音を直々に弟子として迎え入れたのだ。

非常に唐突だった。

何の前触れもなく。

「これは大事だ」

馮子牧は深く息を吸い、重々しく言った。「齊明、今すぐ蘇軽音の詳細な状況を師に話してくれ」

「まもなく、この件は天啓宗全体に広まるだろう」

「はい」

齊明は頷き、すぐに蘇軽音のことを詳しく説明し始めた。

「土木双霊根、建木仙體か」

馮子牧は頷き、しばらく考えてから言った。「天賦は確かに高い。霊根と體質の両方の資質が第四等級に達している」

「心性は平凡だがな」

「だが、これだけでは宗主の注目を引くには不十分だ」

「弟子もそう思っておりました」

齊明が言った。

「宗主の事は我々には関与できない」

馮子牧は言った。「宗主には宗主なりの判断があるはずだ」

「はい」

齊明たちは頷いた。

「師は先に戻るとしよう」

馮子牧は言った。「齊明、お前は今回よくやった。他の十一峰の真傳弟子たちを抑え、青雲峰の名を上げた」

「これからも天啓盛會をしっかり取り仕切るように」

「師のお褒めの言葉、恐縮です」

齊明は言った。「これは弟子の務めです」

その後。

馮子牧は去っていった。

他の三人の真伝長老、つまり蘇子旭たちは馮子牧から宗主が弟子を取ったことを聞き、全員が驚いた。

そして。

彼らは各峰に戻り、この件を伝えた。

間もなく。

宗主楊厲が蘇軽音を弟子として迎え入れたというニュースは、極めて短時間で天啓宗の上層部に広まった。

かなりの波紋を呼んだ。

様々な議論が交わされた。

多くの人々が、蘇軽音とは一体どのような身分や来歴を持ち、どれほどの資質を備えているのか、なぜ宗主に直々に弟子として選ばれたのかを推測していた。

時は流れ。

夕暮れ時。

天啓盛會は徐々に終盤を迎え、蘇軽音が楊厲に連れて行かれた後、虞雪蘭が完全に天啓盛會の焦点となった。

なぜなら。

虞雪蘭は続く三つの試験において、悟性が第四等級の絶世の程度に達し、根骨も同様に第四等級の潛龍のレベルに達していたからだ。

最後の項目。

「福縁秘境」の中で。

彼女が試された「福縁」のレベルは三彩位に達していた。

つまり。

虞雪蘭の資質は。