第63章 妖庭龍子様【ご購読をお願いします!】

楊厲はこの時になってようやく齊明に気づき、一瞥を送ると、まるで齊明を完全に見通したかのようだった。「お前が『混沌青蓮剣経』を修得したとは、どの峰の真伝弟子だ?」

「宗主様に申し上げます」

齊明は答えた。「弟子は青雲峰の真伝弟子、齊明でございます」

「ほう」

楊厲は頷いた。「築基初期で既に五つの本命法剣を鍛造したか。お前なら築基期で『混沌青蓮剣胎』を完成させる望みがあるな」

「確かに優れた才能だ」

「ご評価ありがとうございます」

齊明は答えた。

「この娘を連れて行くぞ」

楊厲は齊明に告げた。「後で馮子牧たちに説明しておいてくれ」

「はい」

齊明は頷いた。

「行くぞ、娘」

楊厲は手を差し出した。

蘇軽音はまだ呆然としていた。

元鳳は傍らで蘇軽音のために焦りを感じていた。彼女はようやく、目の前の美しい長髪の青年が天啓宗の宗主だと気付いたのだ。

なんということだ!

今。

天啓宗の宗主が直々に蘇軽音を弟子として迎えようとしている。

これはなんという機縁だろう。

いきなり天啓宗宗主の直弟子になるとは。

しかし。

蘇軽音の性格は少し天然で、反応が遅く、頭が少し回っていない様子で、どう反応すべきか全く分からないようだった。元鳳が見ていても焦れったくなった。

そこで。

元鳳は右手で軽く蘇軽音の腕に触れた。蘇軽音はようやく我に返り、思わず手を差し出すと、楊厲はその手を掴んだ。

「うむ」

楊厲は微笑んだ。

シュッ!

次の瞬間。

楊厲は蘇軽音を連れて光となって消え去り、一瞬のうちに天際へと消えていった。もはや姿は見えなくなっていた。

「...気を付けて」

元鳳は蘇軽音が消えた方向をぼんやりと見つめ、思わず手を上げて振り、目に涙を浮かべながら、小さな声でつぶやいた。

「彼女のことを心配する暇があるなら、自分のことを心配した方がいい」

齊明は言った。「蘇軽音は残りの三つの試練を免除され、直接宗主様の弟子となった。彼女の才能と宗主様の庇護があれば、将来必ず一流の修士となるだろう」

「しかしお前は違う」

「お前にはまだ三つの試練が残っている。前途はまだ長い」

「先輩のご指摘の通りです」

元鳳は答えた。